埼玉合宿 最終日 ページ43
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BBQを終えて全体写真を撮影したあと、私は一目散に食堂に向かい、美味しいご飯をありがとうございましたとひたすら感謝を伝える。
「大変な時もご飯のために頑張ろうって
何回も元気もらいました……！」
こちらこそいつも美味しく食べてくれてありがとうと笑うおばさんたちは、来年からAちゃんと木兎くんのやり取りが見られないなんて本当に寂しいわねと話す。
OGとしてまた来ます！と別れを惜しみながら食堂を出て、私はマネージャーの部屋へ向かった。
・
部屋に戻ると皆はのんびり荷物の片付けを進めていて、私を見るなり英里が潤んだ瞳で飛んでくる。
「A〜！寂しいよぉ！」
「っ私もだよぉ！！」
離れたくない…！と二人でひしと抱きしめ合えば、何やってんだかと少し呆れたような表情をするかおりがこちらに近づいてくる。
「かおりもこっち来て」
「えっ！？」
思い切りかおりの手を引いて英里と一緒に抱きしめると、突入〜と言って雪絵も来て揉みくちゃになる。
「ふふ、いいね私も」
そう言ってノリノリで私たちの元へ腕を広げてダイビングした潔子ちゃんが入り、顔を見つめあって笑い合った。
私たちはもうこの合宿所に来ることはないし、一週間の合宿に駆り出されることももうない。
「ありがとう」
みんながいたから長い合宿中、楽しい記憶ばかりだとぐちゃぐちゃに寝っ転がるみんなに笑うと、呆気に取られたような表情をしてうるっと目を潤ませる。
「A、お風呂場にリカちゃん人形落ちてたの
本当に心臓に悪かったからね」
「ごめんかおり」
「A寝相悪すぎて隣で寝るの本当に大変だった〜」
「…迷惑かけたね」
「Aがババ抜きで負けるのってね
全部顔に出てるからだよ」
「それは早く教えろっ！」
私が教えてって言っても教えてくれなかったくせに！と英里の二つ結びをキュッと掴み、なんで今言った？と首を傾げる。
「私、Aちゃんがいてくれて本当に心強かった」
そう言ってふわっと笑顔を浮かべる潔子ちゃんに、助けて貰ってばかりで私は何もしていないと潔子ちゃんを抱き締める。
「来年は任せたよ」
泣きそうな顔の真子ちゃんと仁花ちゃんに、頑張れ！やりたい放題だぞ！なんて好き勝手に私達が声をかければ、卒業しないでくださいと二人は無理難題を言い出した。
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作者名：西川あや | 作成日時：2024年2月21日 11時
