埼玉合宿 3日目 ページ28
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「告白は断り慣れてますよね？」
「そうだけど…いやそうじゃなくてさ」
飛雄はそんな単純な問題じゃないんだよと、昼のことを思い出して頭を抱えていれば、確かに単細胞だから恋愛とかしたことなさそうですもんねと空を見つめて嘲笑うツッキー。
「ツッキ…月島って恋バナ好きなの？」
先程から楽しそうに話す姿を見て、頬杖をついて私が聞くと、あなたを取り巻く恋愛関係に興味がありますと意味のわからないことを返される。
「私、今誰とも付き合う気ないし」
受験に部活にで他に割く時間もないから、面白いことないと思うけどと頭を捻って答えると、個人的に面白がってるだけなので気にしないでくださいと余計気になることを言われる。
「…じゃあ恋バナついでに聞いてほしいんだけど、
この人に彼女ができたら嫌だなって好きなんだと思う？」
この気持ちが恋愛としての好きなのか、ただの独占欲なのか。
何なのかはよく分からないと私が言うと、月島は意外そうにこちらを見て、それは場合によりますねと真剣な表情で答えた。
「好きかどうか、
確かめるのに一番手っ取り早い方法ありますよ」
「なにそれ、占い的な？」
私恋占いとかガチで信じないよと笑うと、クラスの女子が話してて、結構納得したので覚えてますと少し悩む素振りを見せる月島は、時計を見てもう時間なので失礼しますと立ち上がる。
「っいやいやいや！？」
このタイミングでいなくなんの！？と、気になりすぎて私も立ち上がれば、私を弄ぶことができて余程楽しいのか、静かに肩を震わせて笑った。
「キスしてみたいかどうか」
笑い止んですぐ、そう言って扉の近くから私を見る月島は、単純明快とニヤリとする。
その言葉によって、あっという間に私の脳内を妄想が駆け巡ると、勉強頑張ってくださいと扉を閉めようとする月島に、私はハッとした。
「今日話したことは口外禁止ね」
「もちろんです」
明日も暇なら同じ時間に来てよと私が誘うと、休憩の邪魔になりませんかと聞いてくる月島。
「誰かと話すのって凄く息抜きになる」
でも、もし明日来るなら恋愛話は勘弁してねと言って手を振ると、月島はおやすみなさいと少し笑って扉を閉めた。
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作者名：西川あや | 作成日時：2024年2月21日 11時
