埼玉合宿 3日目 ページ27
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「ツッキーはツッキーて呼ばれるの、好きじゃないの？」
「ハイ」
そうなんだ。可哀想だねツッキー…と煽るように私が言うと、そそくさ扉に向かって出ていこうとする。
うそうそやめるよと少し笑い、月島こっち来てと前の席を指して呼べば、ツッキーは余程部屋に戻りたくないのか、大人しく私の前の席に腰を下ろした。
「どこの大学を受けるんですか？」
「東京の大学だけど分かるかな」
四谷のとこにある…と特徴を説明し、あそこの外国語学部入りたいと私が言うと、名門じゃないですかと意外そうにこちらを見る。
なんだその顔はとツッキーにツッコミつつ、合格できるかはわからないけど、前回の模試の判定ならギリ間に合うか微妙なラインだと話せば、また申し訳なさそうな顔をされてしまう。
「僕、勉強の邪魔ですよね」
「いーや全然？
眠くなるまででいいからここにいてよ」
何も考えずに休憩って難しいんだと私が笑いかけると、じゃあ10分だけと言って、ツッキーは律儀に教室の時計を確認した。
「…一条さんは、
青城の主将と付き合ってるんですか？」
「え？なんで？」
なぜそう思ったのか、まずなぜ今その話題なのか。
色んな疑問を含みながら、ただの幼馴染だよと返すと、影山が好きなこと気づいてますよね？と今日1ハードなパンチが飛んでくる。
今日言われるまで全く気づかなかったよ！！と心の中で言い返していると、あんだけ態度に出てれば分かるだろ？とでも言いたげな純粋な瞳を向けてくるツッキー。
「気がないなら、早くフってあげた方がいいですよ」
「…嫌なこと言うね」
勉強合間の休憩なのに…と呟くと、すみません気になったのでとツッキーは少し申し訳なさそうに謝った。
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作者名：西川あや | 作成日時：2024年2月21日 11時
