埼玉合宿 2日目 ページ23
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「月島、今のブロック良かったよ」
「ありがとうございます。赤葦さん」
ボールを赤葦に投げて、近くにあるボールを拾って、また投げてを数回やっていくうちに、ツッキーのブロックが格段に成長していく。
「一条さん、フォームの確認がしたいので、
動画を撮影してもらってもいいですか？」
「おーけい」
ボール籠を木兎の近くまで持っていき、動画撮るから赤葦に自分で投げてねと声をかけたあと、私はツッキーから渡されたスマホを借りて動画を回す。
ネット反対の斜めに待機し、木兎いいよー！と合図を出せば、俺写ってる〜？と手を振ってくる。
そりゃ写るだろと思いつつ、写ってるよと教えてあげれば、なぜかキメ顔を作ってからスパイクに入る木兎。
打ったボールはツッキーの手にあたって下に弾かれると、指に力入れろと黒尾がすかさず注意した。
「あと何回か撮ったら確認しましょうか」
「そうだね」
クロスとストレート打ち分けてと動画のために木兎にお願いすると、今日ならイけると親指を立てる木兎に、赤葦は何か嫌な記憶でもあるのか、うんざりといった顔をする。
ツッキーのブロックを数本撮り終わり、五人で動画を確認していると、黒尾とツッキー、木兎と赤葦はそれぞれ自分たちのことについて話し合いを始めた。
「時間もないし、
今言ったこと気をつけて何本かやったら締めるぞ」
そんな黒尾の言葉に私も時計を見ると、もう少しで食堂が閉まる時間で、私は散らばったボールを何個か拾いに言ってから四人の元へ戻った。
「一条さん、またお願いします」
「任せなさい」
◇
自主練後、烏野の部屋にて。
「うわ。あの人、勝手に人のスマホ使って…」
「つ、月島…！それは…！」
Aさんの自撮りじゃないか！と興奮して話す田中さんは、焦ったように西谷さんを呼び、僕のスマホを奪い取って二人は食い入るように見る。
「美しい…」
「華麗だな…」
写真送ってくださいと土下座する先輩たちを見ながら、先程まで食堂でプリンのおかわりがしたいと僕からプリンを奪おうとした一条さんのことを思い出す。
「…」
黒尾さんと赤葦さんが一口ずつあげて怪物を上手く宥めていたなと思い出していると、スライドした画面にギャルピースしている4人の姿が写る。
不意に面白すぎる写真が来て笑ってしまうと、単細胞組が気味悪そうにこちらを見た。
◇
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作者名：西川あや | 作成日時：2024年2月21日 11時
