【ハイキュー】音駒の3年マネージャー② (ページ16)

今日:1 hit、昨日:45 hit、合計:114,408 hit

埼玉合宿初日ページ16

・

生川と森然が隣のコートで試合をする中、予定通り烏野と梟谷の試合がはじまる。

音駒は一発目から審判のため、メンバーを総動員して審判を埋めるが、ラインズマンと得点板どちらをするか研磨と揉めあった末、私は無理矢理得点板係を勝ち取った。

「ナイッサー！旭！」

東峰くんのパワーアップしたジャンプサーブは、あとほんの少しのところでアウトになる。

もし入っていたらとりにくい良いコースだったなと、進化したサーブをメモしながら梟谷の方の得点をめくる。

梟谷にサーブ権が移ると、木葉がエンドラインに立ってサーブを打つと、澤村によってAパスが上げられた。

相変わらず澤村のサーブカットは安定してて凄いと思って見ていれば、飛雄がいつも通り速いトスを翔陽くんにあげると、そのトスは翔陽くんに届くことなく、ボールはその手前で不自然なほど減速してぽとりと落ちる。

「飛雄が、セットミス…？」

あの飛雄が？

驚いてコート外から飛雄を凝視していると、周りも同じことを思っているらしく、珍しい…初めて見た…なんてギャラリーがざわざわしていた。

その後も烏野はシンクロ攻撃に挑戦して空ぶったり、西谷くんがボールを置き去りにしてアタックラインの前でトスを上げてしまったりと、烏野のミスで梟谷の得点が重なっていく。

そして、今合宿最短と言っていいほど、あっという間に試合が終了すると、黒尾と研磨が烏野の試合について指をさしながら話しているのが見えた。

「研磨見たか？あのボールの軌道」

「うん。

…面白い回転かけてたし、たった2週間で凄いね」

翔陽も空中での動きが進化してるし、考えて動けてると饒舌に話す研磨に、私はもっと説明してと二人の会話に入る。

研磨曰く、翔陽くんたちは今、新しい速攻に挑戦していて、それはボールの回転を利用して止めることで、翔陽くんに空中で考えさせる時間を作るというものらしい。

「それってつまり、超絶難しいってこと…？」

「そうだね。俺には絶対無理」

「君たち〜

相手のことよりまず自分たちのことを考えようね〜？」

ボクらもう試合よと、いつまでも話す私と研磨をコートまで引き摺って連れていく黒尾。

次の相手どこ？と聞いてくる研磨に梟谷と答えれば、すごく嫌そうに顔を顰めて、腕なくならないといいな…と呟いた。

◇