部活or彼女 ページ13
◇
それからしばらくの間、大将に対する愚痴を聞きまくった後、Aちゃんと話せて少し気持ちが楽になったと美華ちゃんは笑った。
「ねぇ美華ちゃん。11月の試合見に来なよ」
「…え？」
今更だよと驚いたように顔を上げる美華ちゃんに、このままだと絶対もっと後悔すると思った私は、カバンから部活用のノートを取り出して適当にちぎる。
自分の携帯のカレンダーを見て、今年の春高予選が行われる日付を紙に書き込んだ私は、別れ際に美華ちゃんに紙を渡し、来るも来ないも自由だよと笑った。
◇
「夜久にもし彼女がいて
私と部活どっちが大事なの？って聞かれたらどうする？」
「なんだよ急に」
次の日の部活後、家に着くまでお腹が持たない…！という私の発言により、何か食べようと数人でコンビニに寄る。
私がおにぎりを食べる横で菓子パンを食べながら、うーんと本気で悩み始める夜久は、そんなこと言うやつとは付き合わないと的はずれな答えを出した。
そういうことじゃないと溜息をついていれば、コンビニの自動ドアが開き、棒アイスを持った黒尾が扉から出てくる。
「なーに。ちっちゃいものクラブの会議？」
「はっ倒すぞ」
私の隣に腰掛けた黒尾を肘でつついていると、虎とリエーフ、研磨も続々とお店から出きて、走は？と私はリエーフに聞く。
焼きそばパンかアイスで迷ってます！と返され、どんな2択だよと思わずツッコんでいると、私が先程した質問を夜久が改めて皆に聞き直した。
「っ俺なら即答で彼女のが大事って言います！」
「彼女がいたら満点の回答だな」
「言ってやるなよ」
虎の答えを茶化す夜久に黒尾がそう言うと、俺もっすねーと悩む素振り一切無しでおいなりさんを食べるリエーフ。
「研磨だったら
言われた時点で無言でぶち切れそうじゃない？」
「…俺のことなんだと思ってんの」
そんで走は優しいから日が暮れてもずっと迷ってそうと笑うと、夜久がなんか分かるわと爆笑する。
黒尾さんならどうしますか？とリエーフが楽しそうに質問すると、黒尾はんー…と少し困ったような顔をして口を開いた。
「それ、選ぶ必要あんの？」
・
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作者名：西川あや | 作成日時：2024年2月21日 11時
