新入生 ページ4
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一通りみんなが頼んだものが届き終わると、さっきまでうるさかったのが嘘のように全員黙々と食べ始める。
なんて単純なんだろうと、少し笑ってしまいそうになっていると、熱そうに湯気の上がるドリアを冷ます夜久が、あ。と短く声を上げた。
「今年の1年にリベロいねえかな」
「おお？後輩いびりでもしたいの？」
ヤな先輩だねえとちゃちゃを入れると、お前には俺がどういう風に見えてんの…？と不安そうに聞いてくる。
「ほら、夜久ってレシーブ下手くそな後輩がいたら
すぐ蹴り入れそう」
「いい度胸だなあ？Aのくせに」
「ストーーーップ」
そう言って私の頬を引っ張りながら笑う夜久に、思ったこと言っただけじゃんと睨みつけていると、君ら、もう3年生よ？と口を挟んでくる黒尾。
「いい加減やめなさいね」
黒尾の言葉を聞いて反省し、口を開けば喧嘩になることは目に見えている私は、渋々言葉を飲み込む。
すると、なんだハッキリ言えよと不審がる夜久は、今度はむぎっと両手で頬を摘んできて、あっという間にいつもの小競り合いが始まった。
「海、夜久が私をいじめてくる！」
「先に色々言ってきたのはお前だろっ！」
はぁと溜息をつく黒尾を横目に、必死に夜久の手をどかそうと暴れていると、次の瞬間、突如発せられた大きな声に、私たちは肩を跳ねさせてやっと動きを止めた。
「俺、可愛いマネが欲しいっす！！」
◇
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作者名：西川あや | 作成日時：2022年10月7日 1時
