ハッピーエンド (ページ43)

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episode 43 ページ43

夢でも、見ているんじゃないかと思った。

やって、好きやからここにおるのに。

大吾やって、そうやろ？

『何で？』

大吾「俺、遠距離恋愛向いてへんから」

何で、そんな今更感あるこというの？

ねえ、何で？何で今？

『私達、こうやって2年9ヵ月付き合ってきたんだよ？なのに、何で？』

大吾「気になる人、出来た。それに、不安やねん。いっつも。それももう限界」

そんな事、言われる日が来るなんて、思ってもみなかった。

私だって、不安になったりなんてしょっちゅうあった。
やって、看護学部の王子様だよ？
放っておく人なんていない。

気になる人も出来ない。
私は大吾だけを見てきたのに............

“別れたくない”

.

その一言が言えない。

それと共に思い出される、記憶。

大吾の存在を知ったのは高校一年生の時。

4月の終わり頃にひときわ可愛い彼を見つけた。

紫耀に名前を聞けば西畑大吾だよって教えてくれた。

初めて話したのは高3の委員会の時。

何で私、寝てたんだろう。。

真面目に起きておけばよかった。

寝起きで初めて話すなんて.............

5月の頃、大吾が初めて電話をくれた。

勇気、出してくれたんだよね？

嬉しかったよ。

日大のAO落ちて、泣いてた時、大吾は隣にいてくれて。

一人にしないって言ってくれたの嬉しかった。

大吾のお陰で私のままでええんやなって思った。

『分かった。私、大吾と別れても平気だし、大丈夫。ありがとう。大吾』

今にも泣きそうな気持ちを抑えてそう言う。

最後くらい優しくなれたと思って、カッコつけて。

嫌な女に思われたくないもん。

私はちゃんと出来てるんやろうか？

やけど、泣いてない私を見て、ホットしている大吾を見たらああ、ちゃんと出来てるんやなって。

陽気な顔して、腹立つけどやっぱりそこも大好きだなって。

ああ、もう別れるのに好きな部分見つけてどないするん。

アホみたい。

大吾「こちらこそ、ありがとう。Aと付き合えてよかった。Aが彼女で幸せやったよ」

ああ、何でそんな事言うの？

私、泣いちゃうよ。

最後は、笑顔でって。

それに、