143 睡眠 ページ43
「こんばんはー」
深夜23時40分、いよいよ今日は合宿出発日だ。
少し早めに到着して、何人かちらほらいる。
夜中、学校まで来るの地味に怖かったけど無事に着けたので結果オーライ。
「やべー!! 夜中に出発するってドキドキする!!」
「前回お前ら遅刻だったもんな……」
「単細胞はいいよね、どこでも寝られてサ」
「何だと!!」
「こら、夜中だから静かにね」
「はいッ!!」
「聞いてた?」
相変わらずの単細胞っぷりを見せつけられ、アホ可愛いってこういうことなんだなあとしみじみ思う。
私が到着してから20分ほど過ぎた頃、深夜0時にバスに乗り込む。
今回は滝ノ上さんが運転を申し出てくれたそうで早朝にあちらに到着予定。
バスの中でしっかり睡眠を取らないと、明日寝不足で死ぬ気がする。
ただでさえ生理と被りそうだってのに。これ以上体調悪くならないよう、気を付けなきゃ。
「え、佐藤さん何してんだ?」
「え、寝るための準備ですけど……」
「……そうか」
苦笑いしながら私にケチつけてくる烏養さん。
仕方ないじゃない、こうしないと眠れない。
パーカーを頭頂まで羽織り、髪を挟まないようにジッパーを上げていく。
こうすれば視界もシャットアウトされるし間抜けな寝顔も見られずに済む。
多少首は痛くなるかもしれないけど、バスの中だし仕方ない。
隣に座っている烏養さんにおやすみなさいをして眠りの体勢についた。
・
「もう着くぞー、そろそろ起きろー」
心地良い揺れの中、滝ノ上さんの声がバスの中に響く。
実際もう起きている人もいるみたいだが私はまだ眠い。
素知らぬふりしてギリギリまで寝ていよう。めちゃくちゃずるい大人だな私。
「おい、佐藤さん。着いたぞ、起きろ」
「はーい、起きまーす」
「それ3回目だぞ、いい加減パーカーの中から出てこい」
「はーい……」
「うわ、何か変なのいる」
「聞き捨てならん、月島だな」
「地獄耳」
次々と部員たちはバスを降りて行くのが分かる。
私は烏養さんに起こされつつも全然起きないので、結局一番最後までバスにいた。
渋々ジッパーを下ろせば、見慣れない烏養さんの姿。
カチューシャをしていない状態の烏養さんだった。
「烏養さん、なんだか治安悪いですよ」
「あ? 何がだ」
「髪型」
「あ?!」
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アネモナ - 面白くて一気読みしました! スガさん、ミステリアスボーイキャラだったのか〜。更新頑張って下さい (2020年7月4日 12時) (レス) id: 8d7833d063 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - ますしんさん» 笑っていただけて嬉しいです。黒尾じゃありませんでしたね…笑ありがとうございます。頑張ります! (2020年6月30日 19時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - ねこじゃないっ!!ってところ笑いました!!個人的には黒尾がいいなーと期待してます笑。今後の更新も頑張ってくださいね! (2020年6月29日 4時) (レス) id: ab58ad65d3 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - kkkさん» ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです! 更新頑張りますね。 (2020年6月15日 22時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
kkk - 一気に読みました!とても面白かったです!!更新楽しみにしてます(^^) (2020年6月14日 23時) (レス) id: e5bc294a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西 | 作成日時:2020年5月31日 23時