138 怪訝 ページ38
「男……って他校バレー部の二口くんて子だよ。歯医者同じだったから送っただけ。烏野は二口くんのこと分かると思うよ」
「……そう」
「何その反応。そっちから聞いたんでしょ」
私が答えれば興味のなさそうな返事をする研磨くん。
日向くんに確認するよう頼まれでもしたのだろうか。
「Aさんの助手席は俺のものなのに」
「え、違うよ」
「……ねえ空気読んでよ」
「え、ごめん……？」
事実を言っただけなのに研磨くんに怒られてしまった。
いや、事実を言ったから怒られたのか。
どの答えだったら空気読めてたのだろう。そうだよとでも言えば良かったのか。
「Aさんは今何してるの？」
「んー、ゲームしてた」
「え、何のゲーム？」
「ポケモンのダイヤモンド」
「……古くない？」
「唐突にやりたくなっちゃった」
「Aさんもゲームするんだね。他にはどんなのするの？」
「私は、マリオとかポケモンとかどう森シリーズとか……そんくらい？」
「今度通信しよ」
「いいけど、私基本ゲーム下手だよ？」
「いいよ俺が教えるし」
次の合宿で持ってきてと言われたのでそれまでに色々進めておこう。
研磨くんも今日は疲れているだろうし、電話を終えた。
・
「……」
「研磨、今のAさんだろ？」
「……いたの、クロ」
電話を終えた孤爪はしばらく携帯を眺めていた。
後ろから黒尾に声をかけられたことに驚き体を跳ねさせる。
じとっと睨みながら黒尾に言うが、黒尾はモノともせず話を返す。
「おう、Aさんの車に男が乗ってたって所らへんからな」
「ほぼ最初じゃん。盗み聞きはやめてよね」
「人聞きの悪いこと言うなよ！ お前に用があって来たら電話してたから終わんの待ってたんだよ」
「あ、そう」
「それで？」
「……何が？」
黒尾の疑問に孤爪は怪訝そうな顔をする。
何が、とは聞いたが粗方内容は分かっているのだ。
「男って誰だったんだよ。聞いてたろ？」
「……教えない」
「は？！ なんでだよ！」
「クロに教える必要ない」
「まさか彼氏か？！」
「……教えない」
「なんでだアッ！！」
「どうした黒尾っ！」
黒尾の嘆きの声に梟谷の木兎がかけつけた。
黒尾以上にめんどくさい相手が来たことによって、孤爪の顔は更に歪んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1531人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アネモナ - 面白くて一気読みしました! スガさん、ミステリアスボーイキャラだったのか〜。更新頑張って下さい (2020年7月4日 12時) (
レス) id: 8d7833d063 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - ますしんさん» 笑っていただけて嬉しいです。黒尾じゃありませんでしたね…笑ありがとうございます。頑張ります！ (2020年6月30日 19時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - ねこじゃないっ！！ってところ笑いました！！個人的には黒尾がいいなーと期待してます笑。今後の更新も頑張ってくださいね！ (2020年6月29日 4時) (レス) id: ab58ad65d3 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - kkkさん» ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです！ 更新頑張りますね。 (2020年6月15日 22時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
kkk - 一気に読みました！とても面白かったです!!更新楽しみにしてます(^^) (2020年6月14日 23時) (レス) id: e5bc294a32 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：西 | 作成日時：2020年5月31日 23時
