117 代替 ページ17
――２セット目は、互角。
及川の殺人サーブも、少数精鋭のレシーブ体制で１本で止めることができた。
すごいよ、そんな簡単にやってできるなんて。
隣で青城を応援している可愛いお姉さん方は、バレーの詳しいルールまでは分からないみたいでちょいちょいこちらに尋ねてくる。
そんな若くて可愛いお姉さん方におじさんたちはデレデレだ。みっともない。
スガくんが司令塔となったゲームは、最初は青城も対応しきれなかったものの、やっぱり慣れてくる。
スガくんのプレーは丁寧で真面目。影山くんの天才的センスで常人にはできないものを、やってのけてしまうゲームとは違う。
その分、敵からしたら攻撃も防御も読みやすいだろう。
だが、彼には影山くんにはないものを持っている。
君には君の武器があるんだよ。だから、
だから、そんな顔をしないで。
「あ、烏野、９番呼ばれた。セッター交替ぽいな」
観客の声がポツリと聞こえた。
無情にも、他校なんてそういうもの。こっちの気も知らないで、と思っても仕方がない。
青城からのサーブ、澤村くんが拾いあげ、スガくんがセットアップし、東峰くんが音を立てて打ち込んだ。
烏野が得点し、一度試合が止まったところで主審がメンバーチェンジのサインを出す。
影山くんとスガくんの交替だ。スガくんが走って駆け寄り、影山くんに何か言っている。
内容までは聞こえないけど、なんとなく分かる気がするんだ。
彼はきっと、最後まで”いい先輩”でいたのだろう。
「影山くんが入ったけど、変人速攻の合図はもうバレてる……」
「だな……でも、何かしら策はあんだろ。……多分」
流石に何の打開策もないまま影山くんは戻さないか。
影山くんも、集中している表情でコートに入る。
そして一度皆を睨み上げたかと思うと、ニッと悪魔のような笑みを浮かべた。イヤこわっ。
烏野も青城も、普段の影山くんを知る者は驚き、日向くんに関しては恐怖を抱いている。
あんまりいじめてやるなよ……可哀想に。面白いけど。
「影山くんナイッサー」
入って早々、影山くんのサーブ。集中して深呼吸して、ボールから顔を上げた。
途端、彼の表情にゾワッとした。本能的に危険だと感じた。
そしてそれは、確信へ変わる。リベロの渡からサービスエースを捥ぎ取った。
田中くんとハイタッチをしている姿に、青城の元チームメイトは更に驚いている。
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アネモナ - 面白くて一気読みしました! スガさん、ミステリアスボーイキャラだったのか〜。更新頑張って下さい (2020年7月4日 12時) (
レス) id: 8d7833d063 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - ますしんさん» 笑っていただけて嬉しいです。黒尾じゃありませんでしたね…笑ありがとうございます。頑張ります！ (2020年6月30日 19時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - ねこじゃないっ！！ってところ笑いました！！個人的には黒尾がいいなーと期待してます笑。今後の更新も頑張ってくださいね！ (2020年6月29日 4時) (レス) id: ab58ad65d3 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - kkkさん» ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです！ 更新頑張りますね。 (2020年6月15日 22時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
kkk - 一気に読みました！とても面白かったです!!更新楽しみにしてます(^^) (2020年6月14日 23時) (レス) id: e5bc294a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西 | 作成日時：2020年5月31日 23時
