056 薬局 ページ6
粉の棚から一転、テーピングの棚へと移動した。
テーピングだけでも色々あるもんだ。
白い硬めのテーピングがなかったから、同じものを買えばいいかな。
太さは色々あるが、太めのものを買っておけば後々調節できるだろう。
テーピングをいくつかカゴにいれ、また粉のコーナーに戻る。
あ、今のちょっと面白い。粉のコーナーなんつってね。
いや、つまんないわボケ。
――あ、まだいる。
さっきの彼がまだいるよ。
ちょっと目が合っちゃったから気まずいわ。
粉を探しながら、じわじわ近付いていく。
彼は何を見ているのか一向に退く気配がない。
退いてくれ。普通人が近付いたら、少し距離開けるだろ。
私の目当ての粉は君の目の前にあるんだよ。
「あの、前、失礼します」
「ああ、どうもすみません。……その粉っておいしいですか？」
顔も見ずに、一応声だけかけて前を失礼する。
言えば少し後ろに避けてくれたが、何故か話しかけられた。
「これ……は、普通だと思います、けど……」
突然のことに驚きながら、彼の顔を見て話す。
背、高っ。近いと威圧感があって少し怖い。
「そうですか。こっちの粉とどっちがいいかなって迷ってたんですよ」
胡散臭い笑顔で更に続ける。
「はあ……。まあこの粉は不味くはないと思います」
そっちの粉は知らないけど。
今使っている粉で部員から文句は聞いたことない。
「じゃあ、同じのにしようかな。あ、どうもありがとうございます」
「いいえ、それじゃ失礼します」
彼は最後まで胡散臭かった。
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上から見下ろされちょっと畏縮しながらその場から去る。
レジで会計を済ませ、駐車場へ向かうと真っ赤なジャージの集団が。
その中にはプリン頭の彼もいた。
やっぱり、同じ学校の子だったんだ。
その子たちを後目に、車に乗り込んだ。
「戻りましたー」
「あ、おかえりなさい。ありがとうございました」
「いいえ、潔子ちゃんも１人でありがとね」
「私は、全然です」
体育館へ戻ると、潔子ちゃんはボール出しをしていた。
私も買ったものを置き、すぐに準備をした。
「私、洗濯物取り出してくるね」
「はい、お願いします」
自分で言うのも何だけど、潔子ちゃんと私っていいコンビになれそうじゃない？
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ぴえん - めっちゃおもろくてもうとにかく好きです。ー日本語が変なのは気にしないでくださいー (2020年8月3日 10時) (
レス) id: 243282b2cc (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - しらすパンさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。頑張ります！ (2020年5月31日 23時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
しらすパン(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました!!続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2020年5月29日 21時) (レス) id: d0609b57e9 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます。今この時世ですからね、お互いステイホームで頑張りましょうね！ (2020年5月17日 19時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - コメ失礼いたします！一からすべて読ませていただきました。とてもおもしろかったです！体調に気をつけて更新頑張ってください。応援しています！(*´∀｀) (2020年5月17日 0時) (レス) id: bace071e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西 | 作成日時：2020年5月16日 21時
