072 以降 ページ22
「あー、おたくのセッターくん何か研磨に用ある感じかな?」
「え?」
研磨くんというのは音駒のセッターだっけ。
スガくんと影山くんの方を見ると影山くんがすごい怖い顔で研磨くんを見ている。
……話しかけたいのか。
「多分、話しかけたいんだと……。ちょっとあの子コミュニケーション能力が乏しくて……怖がらせちゃってるよね、ごめんね」
「いや、研磨も人見知りだから……」
研磨くんはすぐ犬岡くんの後ろに隠れてしまった。猫みたい。
「あ、佐藤さーん! ちょっといいですか」
しばらくコートの人たちを見ていると武田先生に呼ばれた。
黒尾くんにさよならをしてその場を離れる。
「はい、なんでしょう」
「こちら、音駒高校の猫又監督と直井コーチです。御挨拶をと思いまして」
「あ、申し遅れました。烏野高校で事務職員をしております。佐藤と申します。本日はありがとうございました」
「いえ、猫又です。うちの部員に代わって線審やってくださってどうもありがとう。助かりました」
「直井です。どうも、ありがとうございました」
終わってしまった後だが、軽く挨拶をする。
烏養さんは監督ともコーチとも面識があるみたいで、何なら今日までコーチをしてくれたのも音駒と戦うからだとか何だとか。
宮城と東京なのに、なんかすごいね。語彙力がなくてすごいとしか言えない自分が憎い。
「にしても、繋心、未経験の先生もこんなに若い事務さんも頑張ってくれてるのになあ。しっかりやれよ、せめて1セットは取れるようになあ」
「ぐっ……次はぜってえ勝ってやりますよ……ッ!!」
「ちょ、喧嘩はやめてください……!」
烏養さんと猫又先生の喧嘩を武田先生が止めに入る。
この2人、大人げないけどいつもこんな感じなのかな。
武田先生も直井コーチも苦労してそう。
私にはあまり関係ないので生暖かい目で見守っておいた。
猫又監督と直井コーチと別れたあと、烏養さんはズンズンと不満気に歩く。
「う、烏養くん、コーチやるのは今日の音駒戦までだって」
「あんなこと言われて黙ってられっか!」
デカい舞台で必ずリベンジだ……! とめちゃくちゃ怖い顔で意気込む烏養さん。
ほんとにめちゃくちゃ怖い。
「宜しくお願いします!!」
「あ、佐藤さんもな」
「え、私も?」
「来れるときだけでいいから頼むわ」
「……はーい」
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ぴえん - めっちゃおもろくてもうとにかく好きです。ー日本語が変なのは気にしないでくださいー (2020年8月3日 10時) (レス) id: 243282b2cc (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - しらすパンさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。頑張ります! (2020年5月31日 23時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
しらすパン(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました!!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2020年5月29日 21時) (レス) id: d0609b57e9 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます。今この時世ですからね、お互いステイホームで頑張りましょうね! (2020年5月17日 19時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - コメ失礼いたします!一からすべて読ませていただきました。とてもおもしろかったです!体調に気をつけて更新頑張ってください。応援しています!(*´∀`) (2020年5月17日 0時) (レス) id: bace071e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西 | 作成日時:2020年5月16日 21時