県立烏野高等学校、事務職員です。【２】

052　翌朝 ページ2

――ピピピピッ



　アラームが鳴り、広い部屋で１人目覚める。

　カーテンを開け、日の光を浴びる。

　いい朝だ。

　だいぶ早い時間だが、準備をするためには仕方ない。

　正直、部活の合宿で化粧をするのは少し躊躇いがあるが、社会人として身だしなみを整えるのはマナー。

　肌と眉毛を整えるくらいの薄化粧で気合いをいれた。

　朝、まずはボトルの準備。

　部員たちは朝のなるべく涼しい時間に一走り。

　それが終わった後で朝食だ。

　だから私たちは一走りの間に朝食の準備をする。

　まあ、そこまで時間がないわけじゃないから焦らずやろう。








　「あ、おはようございます」

　「おはよう、早いね縁下くん」

　「なんか、目が覚めちゃって」


　準備していると縁下くんと出会う。



　「あ、スクイズの準備ありがとうございます。俺持って行きます」

　「ほんと？ じゃあこれ、お願い」

　「はい」



　そう言ってボトルを持って外に向かう彼。

　２年生だけど、準備とかもしっかりやるから偉いな。

　それを見て１年生も早めに準備するよう意識し始めた。いい先輩だ。

　朝練の準備は縁下くんが手伝ってくれたので、私は朝食の準備に取り掛かる。

　潔子ちゃんも直に来るだろうが、できるところまでやっちゃおう。

　２人でも中々大変なのに、これまで潔子ちゃんは１人でやってたんだ。

　大変だったろうに。





　「おはようございます。遅くなってすみません」

　「おはよう潔子ちゃん、全然遅くないよ」



　朝から潔子ちゃんは可愛い。

　ほんと美人だよなあ。



　「……あ、あの、そんなに見られると……」

　「あ、ああ、ごめんね。さ、準備しようか」



　思わずジーっと見つめてしまった。

　顔を赤らめて目を逸らす潔子ちゃんに少し罪悪感が。

　潔子ちゃんも加わって２人で朝食の準備を進めていく。

　昨日の晩である程度の流れは掴め、２人とも手際よくこなしていく。

　おかずとみそ汁はでき、あとはご飯が炊けるのを待つだけ。

　炊飯器を見ると『あと５分』と表示されているから、すぐに炊けるだろう。



　「潔子ちゃん、私烏養さんにもうすぐできるって伝えてくるね」

　「あ、すみません、お願いします」

　「一応携帯持って行くから、何かあったら電話してね」



　もう特にすることはないので、外にいる烏養さんに伝えに行く。

　少し離れたところにいるけど、ここからでも見えるくらい近い場所にいる。

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