202 素質 ページ2
「何、君もこいつの知り合い?」
「お前の周り可愛い子多いね。今度紹介してよ」
「私はその子の保護者です。その手、すぐに離してください」
「んー……、いいよはい」
下から睨み上げるように言うと、思ったより素直に応じ日向くんを投げるように手放した。
大事に扱えくそ野郎。
「ぐえっ」
「ちょ、大丈夫? 日向くん」
「だ、大丈夫です……! ありがとうございます」
「バス行こうか」
「いやいや、君はダーメ」
「は?」
「名前と連絡先教えてくれたらいいよ」
うわめんどくせえこいつ。
ニヤニヤしながら掴みやがって。
「お、お前らあ! Aさんを離せこんにゃろッ……!」
「へえAちゃんてゆーの可愛いね〜」
「保護者って何、このチビのお姉ちゃんなの?」
「は、離せッ!」
「うるせえなチビ」
「んぎゃっ」
「ちょっと! 電話番号教えるから手荒なことしないで」
「お、話分かるじゃん〜」
「Aさん?!」
「大丈夫だから」
この場を収めるには最低限要求をのまないと解放してくれなさそう。
番号を相手に言ってじゃ、と踵を返してバスへ向かう。
よし一件落着。
「すみませんAさん俺のせいで……。あの、ほんとに電話番号教えたんですか?」
「うん、私のじゃないけどね」
「えっ」
「おいっ何か警察署に繋がったんだけど?!」
「は? あのアマやりやがったな!?」
「やばバレた。逃げよう」
「何で警察署の電話番号覚えてんスか……?!」
「それは後で! 前見て走る!」
なんでその場で電話するんだよ。
ていうか番号最初の3ケタで気付くだろ。
後ろからは怒りに満ち満ちた輩が追ってくる。
私の前を日向くんが走っているが流石バレー部の中でもトップクラスの運動神経。
速い速すぎる。
私も車に気を付けながら全力で走っているが女だし全然運動してなかったしあっという間に追いつかれた。
ふと、男子生徒に殴られたときのことがフラッシュバックする。
私は男を怒らす素質でもあるのだろうか。
「ふざけんなよお前」
「優しくすれば調子に乗りやがって」
「あっAさんッ!」
「しつっこいッほんと何なのお前ら……!」
思わず本音がポロっと出てしまった。
ていうか優しくされてないし。
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ペトリコール(プロフ) - 続きをぜひとも読みたいです!思い出した際にでも構わないので何卒! (2022年7月2日 23時) (レス) @page33 id: 356a43a05c (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 続き読めると信じてまってます! (2021年11月9日 17時) (レス) @page33 id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2021年5月11日 16時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
りおん。(プロフ) - 一気に読んでしまいました!続きがとても気になります頑張って、作者様のペースで頑張ってください! (2021年3月4日 14時) (レス) id: 5ba492e76b (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - 若葉さん» お待たせして申し訳ございません。言い訳となりますが普段使用しているパソコンに虫が付いてしまいあまり触りたくなかったので更新してませんでした…。そして原作確認用の漫画にも虫がついていて触りたくない為これからも遅くなります…。 (2020年11月8日 1時) (レス) id: ade71013a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西 | 作成日時:2020年8月1日 11時