雪白兄弟Ⅱ (ページ7)

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辰哉side ページ7

朝から怒ってしまった。まあ、怒らせる亮平も悪いけど。

「どう？寒さマシになった？」

毛布にくるまれてる双子に聞く。

涼「まあ。まだ寒気するけど。」

涼太は喋れてるからいいけど、翔太は喋る余裕なさそう。

「翔太、まだ寒い？」

そう聞くと、首を振る翔太。なんか、5歳児みたい。笑

「そっか。なら、薬飲まなきゃいけないから、なんか作ってくるね。」

涼「作れんの？」

失礼な！作れるわ。

「涼太達が小さかった頃、俺が作ってたけど？」

まったく、誰のおかげで料理上手になれたと思ってんだか。笑(誰のおかげでもない。涼太の独学。)

お粥を作って、部屋に戻る。すると、涼太が時折咳で苦しそうにしている翔太の背中を撫でていた。

「へえー、優しいとこあんじゃん。」

涼「失礼だな。俺はみんなに優しいよ。」

いつも、クールなイメージがあるからさ。

「翔太、お粥食べれる？」

ちょっとでも食べてくれたらいいんだけどな。

翔「…ごほっごほっ…す、こしだけなら…ごほっ…。」

これは思ったより酷いな。市販の風邪薬で治るかな。

「はい。」

お椀についで渡そうとすると、口を開ける翔太。ほんとに5歳児だな。笑

宣言通り、少しだけ食べた翔太(涼太は完食)。無事薬も飲んで、眠りについた。これで良くなってくれるといいけど。

「涼太、寝れないなら、リビングでテレビ見ててもいいよ。」

寝れない様子の涼太。風邪薬には睡眠促進作用も入ってるから、そのうち眠たくなるだろうけど。

涼「翔太の会社に連絡した？」

あ。忘れてた。笑

「今からするよ。」

電話をかけて会社に欠席連絡を。

お昼の分のお粥を作って、鍋ごと冷蔵庫へ。

「涼太。お粥、冷蔵庫に入ってるから、お腹すいたらレンチンして食べな。翔太の分もお願い。あと、お前も寝ろよ。翔太程ではないとはいえ、38度越えてんだから。」

ほんとに38度越えてるとは思えないよ。笑

涼「はい。わかってまーす。」

テレビを見ながら返事をする涼太。ほんとにわかってんだか。

「それじゃ、行ってきます！」

ネクタイを締めながら家を出る。

「やば。」

時計を見る。これは駅までダッシュだな。