照side ページ5
気持ちよーく寝てると、辰兄に起こされた。
辰「起きろってば！」
ずっと俺の体を揺すってくる。
「…起きてる。起きてるって。何？」
辰「翔太と涼太が風邪。亮平が今毛布持ってきてくれてる。」
あの2人が風邪？珍しいな。
辰「で、俺、出勤時刻ギリギリまであの2人の面倒見るからさ、弟達のことお願いしていい？」
「はっ？」
弟達って…。俺も弟なんだけど。っていうか、俺の方が2人より弟だし。
「分かった。…大兄は？」
面倒を見るのは、大兄の方が得意では？
辰「何言ってんの。大介は上司に頼まれて、大阪の某有名テーマパークに手伝いに行ってんだって。」
そうか。忘れてた。大兄、パフォーマーだったわ。笑
「1週間いないんだっけ？」
辰「そう。だから、お願いね。」
辰兄はそう言って部屋を出ていった。
涼兄が風邪となると、困るのはご飯だな。うちの家では、涼兄以外に作れる人がいない…待てよ。1人いるわ。起こしに行くか。
ノックもそっちのけで康二の部屋へ。
「おい、起きろ。」
思いっきり、布団をめくる。
康「…なんや、てる兄。こんな朝早うから。」
俺は2人について説明した。
康「ホンマ？それやったら、ご飯作る人おれへんやん。」
「だから、お前を起こしたんだよ。お前、料理出来んだろ？」
黙って頷く康二。
康「そら、できるけど…。涼太兄程のクオリティやないで？」
そうじゃなくてもいいから。
「とりあえず、弟達が食べれたらそれでいい。」
康「おっけー。俺に任しとき。」
康二はやる気さえ出してしまえばあとは早い。
さて、お次は…、蓮の部屋か。
「蓮？入るよー。」
蓮の場合、ノックをしても聞こえないため、ノックをせずに入る。
「あ、ごめん。着替えてたの。」
蓮は上半身裸だった。いきなり開けられてちょっと不機嫌そう。
蓮「何？着替えてたんだけど。」
すごい冷たい言い方。笑
「起きてんならいいよ。早く来な。遅刻するよ。」
俺はドアを閉めようとして机のあるものに気付く。
「ん？なにこれ？」
消火栓とかについてるランプに似てるけど。
蓮「俺、部屋じゃ補聴器つけないでしょ。？だから、亮平兄がつけてくれたの。ドアに振動があると、そのランプが光るの。」
あ、そう。器用だな。
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作者名：しあべ | 作成日時：2023年3月15日 14時
