雪白兄弟Ⅱ (ページ37)

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辰哉side続きページ37

駅前で蓮を待ってる間、さっきの話を考える。蓮が補聴器をしない理由ってなんだろう。周りの音がうるさくて外してる時もあるけど、それは一時的で。すぐにつけ直したりすることが殆ど。

亮「あ！蓮、来たよ。」

亮平が車から降りて、蓮を呼びに行った。手話で数分話した後、こっちに戻ってきた。

照「(おかえり、蓮。)」

「……｡」

当然、蓮には聞こえてないので、何を言っても返事が帰ってくることは無い。

照「(そんじゃ、車出すよ。)」

帰り道。俺の言葉を亮平が手話に訳してくれる。

「(亮平、なんで病院にいたか聞いてくれる？)」

亮「(それ、俺らも聞いたけど、答えてくんなかったよ。)」

そうだっけ？じゃあ…｡

「(三宅さんに会ってたのって。)」

亮〔三宅さんに会ってたの？〕

〔まあ。それがどうかした？〕

亮「それがどうかした？だってさ」

〔久しぶりに会ってただけだよ。〕

蓮が手話をする。当然、なんて言ったのか分かんない。

亮「(久しぶりに会ってただけだって。)」

それならいいんだけど。なんかあったのかなって心配になるし。亮平と蓮が何か手話で会話してるけど、何か分からない。

「(亮平？なんて？)」

亮「(なんでもないよ。ね？)」

なんだったんだろ？