大介side ページ35
事故による骨折も大分治ってきて、今はリハビリ段階。今日もリハビリを終え、帰ろうとしたら、目の前の人に気づく。
「ん？あれは…蓮？」
蓮がなんでこんなとこにいるの？不思議に思って、そのまま後ろをついてったら、蓮は病院の出口の方へ。ってことは、もう用事を終えて帰るとこなのかな？
「(れ〜ん！)」
意を決して話しかけてみる。が、反応なし。補聴器つけてないのか。
「(蓮ってば！)」
肩をトントンとたたく。
蓮「(あ、大兄。)」
蓮は今気づきましたって顔だ。やっぱり補聴器してないんだ。
蓮「(何？)」
話しかけてみたはいいものの、俺、手話できないよ。全く出来ない訳じゃないけど、まだまだ勉強中。
「(えっと〜…。)」
蓮「？」
俺がしどろもどろする様子を？マークを頭の上に浮かべながら見る蓮。
？「(何してんの？)」
俺の後ろから声がして振り向くと、亮平が。
「(亮平！)」
助かったよ〜！うちでは蓮以外にまともに手話できんの亮平くらいだもん。
亮平に今までの経緯を説明する。
亮「(なんだ。そういうこと。)」
亮平はずっとはてな顔の蓮に手話で話しかける。
亮〔どうして、ここにいたの？〕
〔どうでもいいでしょ。〕
なんて会話してるのか分からない。
「(亮平、なんて？)」
亮「(俺がどうしてここにいるのって聞いたら、どうでもいいでしょって。)」
どうでもいい？蓮がそんなことを言うなんて。
亮「(あ！ねえ、蓮待って！)」
蓮は俺らのことなんか気にせず、先に行ってしまった。
亮「照兄の車で来たから一緒に帰ろうと思ったのに…。」
そうやって寂しそうに俯く亮平。あざとい。笑
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作者名：しあべ | 作成日時：2023年3月15日 14時
