雪白兄弟Ⅱ (ページ16)

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羅羽琉side続きページ16

大「…でね、もう気づいた時には、ぶつかってた。」

大介は事故の時のことを話してくれた。その内容は、もう聞いてられないくらいのもので。

辰「いや～、でも、大介が生きててくれて良かったよ。泣」

大「辰兄、泣いてんの？

えっ？いや、あの…泣かないで？俺、生きてるよ？命に別状はないんだよ？」

大介が涙を拭いてあげてる。なんか、辰哉可愛い。笑

照「辰兄、泣いてる場合じゃないぞ。これから、警察とかも来るし。相手の人とも話し合わないと。長男だから、しっかりしろよ。」

いや、照の方が今はしっかりしてるよ。笑

亮「それについて調べたんだけど、今回の場合、相手の方に過失があるということで、こっちから慰謝料の請求ができるみたい。」

さすが、亮平。もう調べたんだ。

亮「入通院慰謝料としては通院が1～6ヶ月且つ重症の場合で28～116万円くらいだって。」

いつ書いたのか分からないノートを見ながら亮平が言った。

辰「お前…すげえな！もう、亮平がやるか？色々。」

照「押し付けてどうすんだよ！」

照が辰哉の頭をパシッと叩く。

辰「いってぇ。もう！手加減ないんだから。…まあ、いいや。とりあえず、俺が警察とかと話し合うから、大介は治すことに集中しな。」

辰哉が大介の頭を撫でた。

大「フフッ、ありがとう。みんなもわざわざ来てくれて、ありがとう。亮平とか羅羽琉とか、勉強したかったでしょ？」

「ううん。兄の一大事に勉強なんてしてられないよ。ねっ？亮平。」

俺が亮平に目配せすると、亮平は静かに頷いた。

亮「そうだよ。逆に気になって勉強に集中できないもん。」

その通り。でも、思ったより元気そうで良かった。

蓮「それじゃ、俺らはこれで。辰兄はここ泊まるの？」

え？泊まるの？

辰「うん。今から、看護師さんに許可取りに行くつもり。」

大「いいよ、そんな事しなくても。そこまでする程の怪我じゃないし。」

大介は断ってるけど、そんなんで諦める辰哉じゃないよ。

辰「いや！お前がなんと言おうと、俺は泊まってく。」

最終的には大介が折れて、泊まってくことになった。

康「ほんなら、俺らは帰りましょうか。大兄、また明日来るわ。日曜やし。」

涼「明日は差し入れ持ってくるから。」

大「まじで？涼太の料理がいいなあ。美味しいからなあ。」

涼太の料理食べたら、すぐに治るんじゃない？

翔「涼太の料理食べたら、一発で治るぞ。」

あ。同じこと思ってる。っていうか、一発はないと思うけど。