静かな六ツ石家 ページ10
大我side
うちって、みんなが寝てるとこんなに静かなんだな(寝てるんだから当たり前)。
「ただいま。」
もう全員が寝てるであろう時間帯。勤務を終え帰宅。
「お、優吾やるじゃん。」
優吾が作ったであろう夕食がラップをかけて食卓に並んでる。
「今日は失敗してないみたいだな。」
いつも優吾の料理を採点するのは俺。なんだけど、今のところ、上達した気配はなし。一体いつになるのやら…。
優吾が作ってくれた夕食をありがたくいただいた後、少しシャワーを浴びてから自室へ。
「ん？」
今、廊下を何かが通ったような…？
「気のせいか。」
いや、やっぱ気になる。見ておくか。
「誰？誰かいんの？」
そう廊下に呼びかけるが、反応なし。そりゃそうだ。みんな寝てんだから。
「わっ！」
思わずおっきい声出しちゃった。
「ジ、ジェシー！？」
俺の部屋の目の前にいたのはジェシー。いや、いたというより…。
「ジェシー、こんなとこで寝てると風邪ひくよ。」
廊下で寝てんだもん。
「ちょっと！」
そうやってジェシーの体を動かすと…。
「お前…まさか…。」
俺の長年(大して長くない)の看護師としての勘が働く。
「やっぱり。」
こいつ、熱あんじゃん。
「とりあえず、樹に知らせて…。」
うちで俺以外にこういう時に役に立つのは樹。なんたって薬剤師(のたまご)だからね。
「ジェシー？分かる？」
肩をとんとんたたく。ここにいる理由は分からないけど、こんなところで休ませる訳にはいかない。
ジ「…？」
喋らないけど、反応はするからまだ大丈夫。
樹「おまたせ、どした？」
やってきた樹に簡単に症状を説明。
樹「おけ。じゃ、薬持ってくる。優吾起こそっか？大我だけじゃ大変じゃ…。」
あー、そうだね。俺一人じゃジェシーを運べん。
「頼んだ。」
樹「ん。」
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作者名：しあべ | 作成日時：2024年3月18日 19時
