六ツ石兄弟 (ページ27)

今日:25 hit、昨日:5 hit、合計:3,938 hit

優吾side ページ27

んー。心配だなぁ。あいつら、仲良くしてるかな？

上司「六ツ石くん！」

「ふぁ！はい！」

上司「大丈夫？ぼーっとして。」

「すみません。大丈夫です。」

あいつらのことは心配だけど、今は仕事に集中しないと。

上司「六ツ石くん。ここ、ミスしてるからなおして。」

「え？あ、ごめんなさい。すぐに直します。」

上司「珍しいね。君がこんなミスするなんて。何かあった？」

兄弟たちが心配で。とは言えず。

「すみません。大丈夫です。」

まさか、今ごろ仲良くしてるか気になって仕方ないとは言えない。

〈樹、どう？順調？何か不満あるなら言ってよ。〉

一応、こんなLINEを送ってみたけど、返事は来ない。忙しいのかな？昼休み、電話してみるか。

昼休み。早速樹に電話。

『はい。』

「あ、樹？優吾だけど。そっち大丈夫？LINE送ったのに全然既読つかないから、何かとあったのかと思って。」

『･･･。』

樹？

『あいつら、反抗期？』

どしたの？急に。

『ぜんっぜん俺の言うこと聞いてくれねぇ。』

あー、そんな節はあるかもねぇ。

「また喧嘩したの？」

『いや、喧嘩っていうかなんていうか･･･。』

こりゃ、相当落ち込んでるな。きつく言いすぎて反省してるけど、それを直接本人に言えないんだな。可愛いやつ。笑

「あの子たち、ちゃんと言ったら聞く子だから大丈夫。」

『優吾の言うことは聞くんだって。』

そんなことは･･･あるかもしれない。

「俺も三人にそれぞれ電話して言い聞かせるよ。ところで、樹。みんなになんて言ったの？」

『今日の皿洗い担当、ジェシーだったからちゃんとやれって言ったら樹がやれば？って。お使い行ってって頼んだらやだって。』

俺がいないから好き放題やってるみたいだな。笑

「俺からきつーく言い聞かせておくから、安心して。それと、あんまりきつく言うと向こうも苛立っちゃうから、頭ごなしに叱るんじゃなくて、諭すように言ってみて。」

叱る時の俺なりのアドバイス。親ならともかく、兄弟に上から言われるの嫌いな人も多いし、俺自身嫌だし。

「反抗期は殆どの人が通る道。あの子たちの心の声を聞いて、ちゃんと向き合うのも、ひとつの策だよ。じゃ、またなにかあったら連絡してね。」

そう言って電話を切った。