優吾side ページ13
大我によれば、もう熱は下がってるから問題なし。後は本人の自己回復だそうだ。
大「静かだね。」
「うん。」
今はまだ朝八時。明日休日だからって夜更かししてた北斗はまだ起きてきてない。ジェシーも寝てるし、樹は朝早くから学校に。
大「うちって、慎太郎とジェシーがいなかったら、こんなに静かなんだね。」
「うん。」
うちでうるさいやつをあげるとしたら、慎太郎とジェシー。この二人は常に騒いでる。北斗もそれに乗せられて騒ぐことが多いけど、基本は大人しい。
静かだって言ってる大我自身も昔はよく騒いでたけどね。覚えてないみたい。
大「樹も慎太郎とジェシーと北斗に怒ってるのがほとんどだから、基本大人しいしね。」
「うん。」
樹はみんなのお母さんだから。
大「この兄弟の中で大人しいの、俺と優吾しかいないんじゃない？」
いや、大我も十分うるさい時あるよ。
「大我ってさ、なんで看護師になろうと思ったの？」
ずっと気になってた。うちに常に看護しなきゃならない人なんかいないし、うちは父親が医者だけど、看護師なんて身近にいないし。
大「どうしたの？急に。」
大我は少し照れながら言った。
「いや、単純に気になっただけ。で？なんでなったの？」
すると、大我は腕を組んで少し考える。
大「うーん…。そういえば考えたことないな。聞かれたの、学生の頃以来だよ。…俺、昔から誰かを助ける仕事がしたかったんだ。」
そうゆっくりと口を開いた大我。
大「誰かを支えられるのって素敵なことじゃない？人間って誰かに支えてもらわなきゃ生きていけないし、誰かを支えなきゃならない。俺はその手助けをしたくて。」
そっか。大我が看護師になりたいって言い始めたのは中学生の時。そんな歳からそんなこと考えてたんだ。
「それで、選んだ仕事が看護師？」
大「うん。誰かを直接支えられる仕事って看護師が一番に出てくるんだよね。俺の中では。それに、誰かしら、医療の知識を持っていた方が便利じゃないかと思ってさ。」
最後の方のやつは理由としてどうかと思うけど、直接支えられる仕事として看護師を選んだのは正解だと思うな。
「現に、今、亮平くんを支えてるもんね。」
俺がそう言えば、大我は微笑みながら頷く。
大「亮平くんに限らず、俺が今してることはこの人を支えることになるんだなって思う時が、看護師をしていて一番思うことかな。」
なんかいい話を聞けたよ。
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作者名：しあべ | 作成日時：2024年3月18日 19時
