六ツ石兄弟 (ページ12)

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樹side ページ12

大我から変な時間に電話が来たから、家族に何かあったのかと思ったが、予想は大当たり。

「また熱ね。」

汗かいただろうから、着替え取ってくるって部屋を出ていった大我の代わりに点滴を見る。

優「うちは、普段は元気なんだけど、よく熱出すよね。」

そう。俺らは普段は元気。めっちゃ元気。なんならうるさいくらい元気。
だけど、元気すぎて体力を使っちゃうのか、よく熱を出す。

「小さい頃は毎週のように出てたもんな。」

特にジェシーなんか、元気すぎて体力が週末まで持たないのか、土曜日になると、毎回熱を出してた。その度に、母さんが病院に連れていってたっけ。

優「そういう樹も昔はよく熱出してたよ。」

「えっ？」

ちょっと待って衝撃の事実だよ。この俺が？

「俺、こんなに元気なのに？」

優「今はね。でも、昔はほんっとによく熱出してた。トータルすると、兄弟で一番なんじゃ…。」

嘘でしょ？そんなに？ちょっと自分でも想像つかないわ。

優「だから、兄弟で一番握力弱いんじゃない？」

それは関係ないでしょ。笑

大「着替え取ってきた。どう？ジェシーの様子。」

俺が衝撃の事実に驚いていると、大我が戻ってきた。

「問題なし。ところで、大我に聞きたいことあんだけど。」

大「ん？」

「俺ってさ、昔、今のジェシーみたいによく熱出してたってほんと？」

すると、大我はニヤニヤする。

大「出してたよ。熱自体はそんなに大したことなかったんだけど、ほんとに毎週末出してたよ。」

まだ寝ているジェシーの体温を測りながら言う。

優「それに、熱出したら大体、ママにくっついて離れなかったね。」

ちょ、ちょっと待って。えっ？俺、頭パンクしそうなんだけど。

「お、俺がママに？」

そう聞けば、二人は当然のように頷く。

「えー…。」

なんか、醜態を晒された気分だよ…。