184side相葉 ページ34
意を決して、扉を開ける
ギィー…
a「嘘でしょ…」
そこは、絵に描いたような…
いや、どんな絵よりもすごい。
色とりどりの花。
青空。
ふわっと感じる気持ちいい風。
どこから聴こえるのか鳥のさえずり。
高くて大きな木や、桜の木。
梅や松、竹…
チューリップにビオラ
バラ、タンポポ、百合…
ざっと見渡しただけでも、色んな花や木があって、でもゴチャゴチャしてるわけじゃなくて、
どの花も、木も、のびのびと自分の生きる場所で美しく咲いていた。
足元の土の道は、色んな所に繋がっていて、
恐る恐る1歩を踏み出す
もう、凄すぎて言葉がでない
本当に違う世界だ。
俺の少ない語彙力じゃ、この凄すぎる温室を表現できない
見た事もない形の花や、花は見た事あっても、そんな色あったの？って感じの色の花。
感動して何も考えずに歩いていると、
自分がどこにいるのか分からなくなってしまった。
どうしよう…？
？「雅紀くん」
え？
俺、呼ばれた？
？「上だよ。上笑」
上？
見上げると、桜の木に座る結和ちゃん。
a「結和ちゃん!!」
結「こんにちは笑」
真っ白なワンピースに真っ白なサンダルの結和ちゃん
まるでこの温室の天使みたいだ
結「雅紀くん、」
a「ん？」
結「息抜き付き合ってくれる？」
結和ちゃんに連れられ、わけも分からず温室を案内してもらう
何の実？
スノーサンゴ
おいしそうだね
食べてもいいけど、毒あるよ
やめとくね
ここ寒くない？
冬だからね
今度は暑い…
夏だもん笑
さっきは冬だったのに…
ここって温室のどの辺？
南東らへん？
なんとう…
どっち北？
好きな方でいいんじゃない？
じゃあこっちにしとく
二人で話しながら、
満開の桜並木を歩いて、
見渡す限りの向日葵に感動して、
小さい丘に登り、綺麗なもみじを見おろして、
積もった雪と南天の実でウサギをつくった。
a「ホント広いね、この温室」
気づけば、温室の空には星が出ていた
結「今案内したので4分の1ぐらいだよ」
a「嘘でしょ!?
よく迷子にならないね…笑」
確かに、この温室に入ってまだ"壁"を見ていない
結「花が出口を教えてくれるから迷子にはならないよ…笑」
a「そういうもんなんだ…」
俺には分からないな…笑
結「ちょっと疲れちゃったから、
休憩してい？」
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作者名：ミックス。 | 作成日時：2017年12月13日 23時
