今回の天女様は随分と警戒心が強い

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左門「あ、起きました!!」


入るよ、という声がして誰かが入ってきた。茶色の髪と優しそうな雰囲気。
いいお兄さんって感じの好青年。


「天女様、いい加減左門から離れてくれませんか?」

『あ、はい。』


怖っ。
今、好青年の目がギランって光った。
まるで怒る直前の兄さんみたいだ。


「さて、珍しい話でも無いけど君は僕達のことを知らないらしい。だから自己紹介をするね。」

『はぁ、さいですか。』

有名な人達なのだろうか。
ﾊｯ、まさか誘.拐または拉.致犯罪グループとして有名なのか!?(違う)



「僕は善法寺伊作。この学園の六年生だ。」

『えと、村田Aです。
キメツ学園中等部二年です。
……嫌な思いや危険な目に会いたくなければ、わたしに話しかけないでください。』

伊作「え?」


左門兄さんと同じ反応を返す善法寺さん。そりゃそうか、初対面に「話しかけんな」て言われたら誰でも、驚くよね。わたしは初対面で恨まれた恨みをまだ覚えてますから????



『必要なことは話せます、多分。兄さんが見ていなければ。』


本当に、兄さんだけはいつどこにいるかわからない。逆に兄さんはわたしを直ぐに見つけられる。
以前、そのことについて質問したんけど「お前への愛だ」って返された。絶対にGPSでしょ。


『このこと、他の人にも言って頂けますか?個人個人に言ったら、誰に言ったか忘れそうなので。初対面なら尚更。』


伊作「わかった、極力話しかけないように言っておく。
ところで体調は?頭が痛かったり、体がだるかったりはないかな?」

『大丈夫です。』


おかしい話だ。
拉.致したのに体調を聞いてきたり、こっちのお願いを叶えたりするなんて随分とお人好しな犯罪者だな(違う)。
……人.身売.買か。個体の体調を管理しておかないと、高値で売れないもんね(違う)。

そうっと手を伸ばす左門兄さんには気づかない。

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