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薮side
仕事が終わって、伊野尾に連絡し終わったタイミングで大ちゃんが話しかけてきた。
有｢薮くん、いのちゃん怒ってなかった？｣
薮｢少し拗ねてたけど、まぁ大丈夫だと思う｣
ほんとは、大丈夫じゃない予感しかしていない。
声のトーンがいつもに比べて低かったし。
声に張りもなかったし
薮｢逆に大ちゃんは大丈夫？｣
有｢大丈夫と思えば大丈夫だし、大丈夫じゃないと思ったら大丈夫じゃない｣
薮｢なんだそれ｣
有｢なんか、遅くなるって言ったら浮気すんなよって言われた｣
なんて言った大ちゃんは、山田の方が浮気しそうだのなんだの言ってる。
ちなみに山田は絶対に浮気しないと思う。
あいつの瞳には大ちゃんしか映ってないから。
有｢あ、忘れてた｣
薮｢なにを？｣
有｢上司が、あと20分したら飲み会始めるから早く来いよだって｣
それを早く言えよ
薮｢どこの店でやるって？｣
有｢〇〇屋って言ってた｣
前教えてくれた所か
薮｢その店ならすぐ近くだから早く行くぞ｣
有｢はーい｣
伊野尾のことが気になるけど、明日の朝に何とかすればいっか
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有｢ねぇ、薮くん｣
薮｢どうした、大ちゃん｣
有｢ここすっごいお洒落なんだけど｣
そう。俺らが呼ばれた居酒屋は予想に反してすごくお洒落だった
薮｢そうだな。お洒落だな｣
有｢ほんとにここなの？｣
薮｢間違えてはないはず｣
有｢そうだよね…｣
飲み会とか忘年会って焼肉屋とかでするんじゃないの？こんなお洒落なところでする？
有｢とりあえず入ろっか｣
薮｢そうだな｣
なんて話をして中に入ると、これまたお洒落だった。
『いらっしゃいませー。何名様ですか？』
薮｢予約してた、えっとー…｣
上司の名前何だっけ
有｢予約してた田中です｣
『田中様ですね。こちらへどうぞ』
大ちゃんがいて良かった〜
有｢薮くんしっかりしてよ｣
薮｢ん。次からはちゃんとする｣
薮｢え？は？｣
有｢薮くん？どうしたの？｣
今の人って伊野尾と？
何でここに？
有｢ちょっと薮くん。ぼーっとしないでよ｣
薮｢ごめんごめん｣
まぁ気の所為だよね。
会いたくて幻覚が見えたのかもしれない。
きっとそう。そうに違いない
有｢薮くん独り言凄いよ。歳なの？｣
薮｢大ちゃんと同い年だわ｣
とりあえず忘年会を楽しもう。そうじゃないと、伊野尾に寂しい思いをさせてまで来た意味ないし
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作者名：奏音 | 作成日時：2023年12月17日 16時
