コーヒーよりも甘く、砂糖菓子よりも苦く【短編集】 (ページ2)

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八乙女side

知「宏太と涼介、そこ座って」

恐らくさっきより状況が悪化しているであろうこの楽屋。

相変わらず圧が凄い知念と、知念に大人しく従っている山田と薮。

そして、さっきとは違って俺の手で遊んでいる大ちゃんと圭人に抱きついて頭を撫でて貰ってるいのちゃん。

……うん。この２人は変わんないわ

知「単刀直入に聞くけどさ、皆の前で誓ったこと忘れたの？」

薮「忘れてない…」

知「涼介も？」

山「もちろん」

知「じゃあ何誓ったか今言って」

薮「伊野尾を泣かせないって」

知「涼介は？」

山「薮ちゃんと同じく大ちゃんを泣かせないって」

あぁ…。3，4年前ぐらいに言ってた気がするな

知「こんなこと言いたくないんだけどね。今回は我慢出来ないから言わせて貰う」

言いたくないなら言わなくても良いのでは…

知「何で圭人はいのちゃんを泣かせないってことを守れてるのに、あんたら２人は出来ないわけ？それとさ、女性スタッフが何？２人にとっていのちゃんと大貴より可愛い子はいないんじゃないの？勿論、僕にとってもだけど」

知念さん、最後の言葉は一体何でしょうか。

山「そうなんなけど、困ってたから」

薮「いつもは軽くかわすんだけど」

なら今日もそうしろ。いつもやってんだから出来るだろ

知「その女性スタッフさんは何に困ってたわけ」

薮「行きたい場所があったそうなんだけど、行き方が分からないから行き方知ってますか？って。な、山田」

山「そうだよ」

知「はぁ～～～。いつもは賢いくせに、なんでこんな時に天然発揮させてんの。」

そうだそうだ。変なとこで天然発揮すんなよな。

知「あのねぇ、それはね宏太と涼介と話すための口実。今の時代、スマホに道案内アプリ入ってんだから行き方ぐらいすぐ分かるでしょうよ」

薮「確かに」

山「よく考えればそうだな」

……天然というかバカなだけだわ

知「…なんか拍子抜けした。まぁ、泣かせたのは事実だから二度と無いようにしてよ」

薮「もちろん」

山「二度と泣かせない」

…ほんとかぁ？

知「いのちゃん、大貴」

伊「なぁに？」

知「２人もこう言ってるしさ、今回は許してやってくれないかな？」

伊「…しょーがない。今回だけだからな」

有「次泣かされたら知念の方に行くからな」

それは山田が泣くからやめてやって。

薮「ごめんな。ありがとう。もう泣かせないから」

山「俺も！泣かせちゃったら殴って良いから」

一件落着かな。良かった。