ACE ページ9
−トランパー襲撃一日前−
その日は、俺がAのお守りをする番だった為、隠し場所に居た。
｢ねぇ。
これ分からないんだけど。
教えてよ。｣
｢どれだよ？｣
｢この問題。
どの数式を当てはめれば良いの？｣
｢あぁ、これはだな、、、。｣
そう言って、俺はいつも通りAに勉強を教えていた時だった。
アジトに通じる扉ではなく、普通に玄関口が開き、そこにJOKERさんが立っていた。
｢あれ、JOKERさん？
どうしたんですか？
どうぞ、中に入って下さいよ。｣
｢ありがとう、ゼロ君。
それで早速なんだけど、ある人を紹介したい。｣
｢｢ある人？？｣｣
JOKERの言葉を聞き、ゼロとAは声を揃えて聞き返した。
｢あ、うん。
そう。
でも、仲良くなったんだね。
声が揃うなんて、びっくりしたよ。｣
｢仲良くなんて、、、！
それより、その紹介したい人って？
私、此処に居ない方が良いんじゃない？｣
｢いや、居ていい。
外に出たり、アジトに居る方が危険だ。
で、誰なんですか？
その人物とは？｣
JOKERさんが外に居るその人物を呼びに行き、戻って来たその人物を見て、俺は驚きを隠せなかった。
だってそこには−−
｢お久しぶりですね。｣
｢お前っ、、、！｣
その人物を見た途端、顔が鬼のように険しくなり、座っていたゼロが急に立ち上がった。
｢何何、どうしたの！？
ていうか、誰なの！？
知ってる人なの！？？｣
｢そりゃあそうだろうね。
ゼロ君にとっては、、、いや、S-Aの皆の敵だからね。｣
｢敵、、、？
じゃあ、あの人って、ボス、、、？｣
Aがそう呟くと、JOKERさんは違うと答えた。
｢あの人は、、、。｣
JOKERさんが、Aに誰だか教えようとしたその言葉を、俺は遮った。
｢コイツはACEだ、、、！
俺達の敵側に、わざわざ回った男だ！！｣
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作者名：童子 | 作成日時：2019年12月27日 23時
