モブの彼氏がイケメンダメ男とか聞いてない【赤葦京治】

番外編その2 ページ29

、




自分の部屋は静かで、シャーペンの書く音が聞こえる



Aが来るまで予習でもするか、と解き始めた数式はまだまだ続いていてやる気を奪われるような感覚だ



ふと時計を見ると午後5時を過ぎていてそろそろか、と数学のノートやら教科書やらを片付け始めた



片付け終わったと同時にﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝと音が鳴る



「はい」



とドアを開けると同時に勢い余ってAに抱きついた



ふわっと甘い香りがして心地良い



「…どしたの赤葦」

「いや、勢い余って…」



本当のことを言ったけどAは信じてくれない









いつも通りリビングのソファーに寝転んでキッチンに居るAに「冷蔵庫にオレンジジュース入ってるから飲んでいいよ、俺の分も持ってきて〜」と言う



案の定キッチンからは溜め息が聞こえてでも少し楽しそうにオレンジジュースを注いだコップを２つ持ってくる



持ってきてもらったオレンジジュースを一口飲む



少し酸味の効いた爽やかな味でとても美味しい



Aも美味しいって言ってたし親に感謝だな…



オレンジジュースを飲み干してAに膝枕をねだる



素直に(正確には諦めて)いいよと許可を貰ったので膝枕してもらう



Aの顔をﾁﾗｯと見てみると耳まで真っ赤で可愛い



「A、可愛いね」



…と言った瞬間目が覚める



夢か…



「“可愛い”か…いつかちゃんと、言えたらいいなぁ…」



…このことはまだAには秘密、ね?





fin.

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8

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