過去への旅立ち ページ49
グリンデルバルド「その君が持っている力は、前に君がMACUSAでやったように炎を鎮めることができるし、防御もできる。
凍らして、攻撃をすることも、ね」
『…!』
頭を勢いよく殴られたような衝撃が走る。体は沸騰するかのように熱くなり、頭の芯は冷たくなる。
長い間のうちに完全に忘れていた感情がむらむらと込み上げてくる。それは、怒りという名の感情。
…やめて。もう何も、言わないで。言うな、絶対に
『……ならその力を使って貴方を凍らす』
私はギリッと唇を強く噛む。強く噛みすぎたのか血の味がするが、まぁ問題はない。そんなことより、この人を黙らせないと。これ以上何か言われる前に、思い出す前に、殺シテシマワナイト。
勢いよく足元から氷が広がって、グリンデルバルドを凍らせようと進んでいく。氷は氷柱となり、グリンデルバルドの周りをぐるりと取り囲んだ。が──
グリンデルバルド「お前が私を殺すことが出来ると思っているのか?」
その声は、冷たかった。今までは少しだけ暖かみがあったが、細められたグリンデルバルドの目には暖かみが少しも宿っていない。
グリンデルバルドが杖を振るうと、バキバキッと音を立てて氷柱が割れていく。やがて、パリンと音がして、全ての氷柱が割れた。
グリンデルバルド「さて、A」
『……』
グリンデルバルド「君は…こんなことでしか怒りを発散出来ないのか?」
…うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい…!
『……ダマレ』
グリンデルバルドがコフッと咳き込んで、口の端から血を滴らせる。赤い赤い血が、氷の上に落ち、その部分だけ鮮やかな紅に染め上がる。それは、あまりにも綺麗な光景だった。
グリンデルバルドは無表情で、血を拭った。そして、仕方なさそうにため息をつくと、懐から杖を出して私の胸元に杖を向ける。杖からは黒い靄のようなものが放たれた。咄嗟のことに防ぐこともできず、黒い靄は私を取り巻く。視界を埋め尽くす黒、黒、黒。
グリンデルバルド「…お前の過去を見せてもらう」
その言葉を最後に、私の意識は闇へ堕ちた。
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リサ - こんばんわ。いつもこの小説を読んでいます。次も楽しみです。闇落ちの方を読んでみたいです。 (9月8日 0時) (レス) @page28 id: ebda27dca2 (このIDを非表示/違反報告)
ルイーザ(プロフ) - みかんさん» コメント有難う御座います。作品を楽しんで頂けて、とても嬉しいです。闇堕ちですね。有難う御座いました。拙い文章ですが、これからも楽しみにして頂けると嬉しいです。 (2019年9月4日 16時) (レス) id: 4a1e9af14b (このIDを非表示/違反報告)
みかん - こんにちは。いつもこの小説を楽しみにしています。闇落ちのほうを読んでみたいです!楽しみにしています!! (2019年9月3日 12時) (レス) id: 10b371d446 (このIDを非表示/違反報告)
ルイーザ(プロフ) - きなこさん» 返信遅くなり申し訳ないです。コメント有難う御座います。そう言って下さり、とても嬉しいです。闇堕ちありですね、有難う御座いました。拙い文章ですが、これからも楽しみにして頂けると幸いです。 (2019年8月29日 8時) (レス) id: 4a1e9af14b (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - はじめまして、こんにちは!!この作品がとても好きなので、いつも楽しみにしてます♪私的には闇落ちルートありだと思います!!これからも楽しみにしてますね。 (2019年8月28日 9時) (レス) id: 5408dae180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルイーザ | 作成日時:2019年7月6日 8時