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「……なにこれ」
竜胆、らしくないよ。
息なんて切らして。
「……どうしたの？」
「いや、まずこれ外せよ！」
「だって…」
「これじゃ、お前に触れないじゃん」
私だって、竜胆に触れたい。
でも…、
「顔見た…っ、だけで、泣きそうなの…！」
「尚更開けろよ！お話しよ？」
「……話す事ない」
「お前がなくても、俺があんの！」
「……明日じゃ、ダメ…っ？」
「だーめ！いい加減ドアぶっ壊すぞ」
目が本気…！
こうなったら、
竜胆は絶対帰らない…。
渋々、扉を一旦閉じて、チェーンを外した。
「わっ…！」
チェーンを外した瞬間、
すごい勢いで扉が開き、気付けば竜胆の腕の中。
……いつもと匂いが違くてやだな。
「持ち上げんぞ」
「えっ、重いから！ちょ！」
「重くねェよ、もっと太れタコ」
相変わらず口悪っ！
抱きかかえられたまま、
ソファに、向き合う形で座った。
じーっと見つめられ気まずい…。
「……なんで、二番目だと思った？」
背中をポンポン。
私の頬に残る涙の跡は、指でふきふき。
「メイク落としは、大事な奴のって…」
「初めて会った日か」
「甘い声で、おやすみ電話とか…」
「あぁ…」
「お店に来た時、兄貴が美愛がヤキモチ妬くって…」
竜胆の顔が見れなくて、
どんどん俯いていく。
「あと、仲良さそうに手繋いで歩いてるとこ見かけて…」
初めて美愛ちゃんを見かけた日。
竜胆は、「うんうん」って
時折相槌を打って、話を聞いてくれてる。
「すごく可愛いし、いい子だし…」
そ、そろそろいいかな竜胆さん！
もう、恥ずかしいし、
言っててすごい虚しくなってきたんだけど…！
「A、こっち向いて」
「ん？」
竜胆と目が合えば、
さっきまでの怖い顔なんてしてなくて、
優しい目が、私を捉えて離さない。
「お前が一番可愛いよ」
「……っ！」
「Aだけが、好きだよ」
「私だけ…」
眼鏡を外す仕草が色っぽくて、
艶めかしい雰囲気に、目が離せなくなった。
角度を変えて何度も落とされる口づけ。
おでこに、瞼に、鼻に、頬に、唇に。
「こういう事すんのも、お前にだけ」
「りん、ど…」
今までで、一番甘くて、優しい声。
今度は違う意味の涙が溢れそう。
「ごめんね？嫌な思いさせてたんだよな」
「違う…、二番目でもいいって私が、」
「そんな悲しい事言うなよ…」
今度は、竜胆が泣きそうな顔をしていた。
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nori(プロフ) - いつ見てもほんとに面白くて泣けて最高にドキドキして何回も見返しちゃいます笑作者様がこのお話を作ってくれて読めてめっちゃ幸せです✨！お体気を付けてお過ごし下さい！ (2023年1月7日 18時) (
レス) @page38 id: 415de435f6 (このIDを非表示/違反報告)
matsuri(プロフ) - raaaaaaamさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(T_T)♡春千夜くんバージョンお話思いついたら、ぜひ書かせて頂きますね♡ナイ頭フル回転で頑張ります(笑) (2021年11月26日 9時) (レス) id: 92d72416b1 (このIDを非表示/違反報告)
raaaaaaam(プロフ) - ふぉーー！素敵な作品すぎて気づいたらこんな時間に…⤴︎︎⤴︎︎ 同じバージョンよ春千夜も希望したいです(T ^ T)(T ^ T) (2021年11月26日 6時) (レス) @page45 id: c6906907ca (このIDを非表示/違反報告)
なる - テスト期間で完結してたの知りませんでした！おめでとうございます！！もう最後の最後まで最高に感動しました！二次作品も心待ちにしてます！ (2021年11月13日 16時) (レス) @page44 id: ec50fd9b43 (このIDを非表示/違反報告)
マナフィ(プロフ) - 完結おめでとうございます！前作の蘭ちゃん編から読ませて頂いてます。竜胆のあまぁぁあい言葉にキュン超えてギュンギュンしました！番外編楽しみに待ってます！！ (2021年11月9日 17時) (レス) @page44 id: c16e9a497f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：matsuri
| 作成日時：2021年10月13日 17時
