ある一幕 ページ44
年末にチョロッと買物したいとの事で、荷物持ちを名乗り出た。
Aちゃんは女の子だしJKだし、重たい物もつのは辛いだろうなぁとの簡単な思想だ。
「とわぽん、本当に良かったの？」
「ええんよええんよ、次はどこいきます？」
「こっち、これで終わりの予定」
訛りのない落ち着いた声は外にいても安定して聞こえる。
荷物と言っても大したものではなく、どう見たってこの年末に家に1人分、といった食料しか買っていないように見えるが大丈夫なのだろうか。
「あの、towacoさんですか...?」
ひぇ、と声がもれた。
声の方に目を向けると、Aちゃんほどではないが、そこそこの顔立ちの女。明らかに視聴者か。つーか、知ってる女だ。
「そ、う、ですけど」
「わー！あの、あえて嬉しいですっ、握手してもらっても,..」
「あー、ええですよ」
「ありがとうございます〜！いつも応援してますー」
「ありがとなぁ」
空々しいやつめ。
ちら、とAちゃんをみると何を思っているのか分からない顔で私達を静かに見ていた。
「えと、あの、方は...?」
やべぇわ！やっぱり見つかった！
別に恋人してるわけじゃないが、私の職業もバレるしなによりAちゃんに迷惑がかかってしまうんでは！？
「リスナーの方？」
「あ、うん、そうなんやけど...」
考え始めた私を見計らったのか、Aちゃんは口を開く。
そして、視聴者に見えないように口パクで、あぁ、なるほど。
「従妹の子なんですわ、見てもらったら分かるんですけど買い物に付き合わされてまして」
「そうなんですね...!」
納得したような表情に、とりあえず安堵。
忙しいから、と口を開こうとすると、馴れ馴れしくもその人はAちゃんに声をかけた。やめたってや。
「今中学生？高校生かな？」
「高校生です」
「従兄弟がtowacoさんだなんていいねー、お兄さんと仲良くね」
「そう、ですね。
いこう、おばさんからの伝言はあともう1件だよ」
ふわりと髪をなびかせて先を急ぐAちゃんに便乗してそれでは、と声をかけると女は笑った。
「兄弟仲良く、ね。
いつでも追いかけますからね」
「そりゃどうも。
これからもtowacoをよろしゅう」
視聴者に街で突然会うのは苦手だ。
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ししのめ(プロフ) - るりねぇ(*￣∇￣*)さん» コメントありがとうございます！恋愛系の参考になれているかはちょっと自信ないのですが楽しんで頂けているようで何よりです。これからもこの2人をよろしくお願いします。 (2016年12月29日 18時) (
レス) id: 6cdb4f864d (このIDを非表示/違反報告)
るりねぇ(*￣∇￣*)(プロフ) - とわこさんとの絡みものすごい好きです！私は恋愛系書けないので、凄い参考になりますw (2016年12月29日 17時) (レス) id: 59abd8695f (このIDを非表示/違反報告)
ししのめ(プロフ) - なとりうむさん» コメントありがとうございます！！私関西の方に詳しくなく...申し訳ないです、訂正して参ります。すみませんでした。指摘は嬉しい限りですのでお気になさらず、読んで頂き有難いです。これからも楽しんで頂ければ幸いです。 (2016年12月27日 18時) (レス) id: 6cdb4f864d (このIDを非表示/違反報告)
なとりうむ(プロフ) - ×木になって○気になって 連投並びに誤植すみませんでした;; (2016年12月27日 18時) (レス) id: 99128e2a06 (このIDを非表示/違反報告)
なとりうむ(プロフ) - 何だか上から目線での指摘のようになってしまい本当に申し訳ございません、関西在住の者としてはどうしても木になってしまいまして…これからも更新頑張ってください、陰ながら応援しております。 (2016年12月27日 18時) (レス) id: 99128e2a06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ししのめ | 作成日時：2016年11月10日 18時
