古典的愛 ページ36
Aちゃんというひとりの女の子がいる。
私が家庭教師として見る限り、優秀な生徒だ。
向上意欲があって、努力も惜しまない。
Aというひとりの女がいる。
私の心を乱して煽るのがとても上手いひとだ。
最近はこんなに通ってんだから古典世界なら結婚出来るぞと思っている。私は阿呆だ。通い婚はとうの昔に撲滅されている。
「Aちゃん、彼氏とか居ないの？」
「突然なに？とわぽんらしくない」
シャーペンを握ったまま顔を上げるAちゃんの眉間に軽くシワが寄った。
ううん、そこまで突然だったろうか、いや、確かに突然といえば突然だがそんなにツンケンされても困る。
「いや、こうして私が週３のペースで来てるでしょ、そんなんやったら彼氏居ったら辛いかな思っただけです」
違う、気になるのはAに彼氏がいるかどうかだ。
いたら私だってさっさと諦めがつく気がする。
この子に抱いたこの心がいけないものだと、この子の将来にいい影響を及ぼせるなど思ったことなど一度もない。
ただ、私が一方的に好きなだけ、それだけなら許される気がしている。そんな事も良くないとわかってはいるのだが、捨てられるものに治めるにはもう遅かった。
「いない、けど。
とわぽんこそ彼女いないの？」
半分興味が失せたのか、ゴリゴリと古典を埋めていくからAちゃんはきっと永久狐という私にも、towacoというキャラクターにも彼女がいようがいまいがどうでもいいのだろう。
すこし、気分が落ちた。
「いませんよ、そんなこと言うなら私のためにでも髪あげさせたりましょか」
「髪あげ...?髪でも結ぶの？」
「あ、知りませんでしたか、まぁええですよ、知っても知らんでも関係ない知識ですんで」
古典的雑学。
髪あげというのは、その昔女が結婚できるようになったと周囲に知らせるために、成人の儀式としてしたものだ。
私のために髪あげをするなら、それは私と結婚しろということで。
あぁ、何でこんな遠回りで伝わらない事をしてるんだ、私。
いっそ好きと言ってしまえば楽なのだ、そんなことわかりきっている。
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ししのめ(プロフ) - るりねぇ(*￣∇￣*)さん» コメントありがとうございます！恋愛系の参考になれているかはちょっと自信ないのですが楽しんで頂けているようで何よりです。これからもこの2人をよろしくお願いします。 (2016年12月29日 18時) (
レス) id: 6cdb4f864d (このIDを非表示/違反報告)
るりねぇ(*￣∇￣*)(プロフ) - とわこさんとの絡みものすごい好きです！私は恋愛系書けないので、凄い参考になりますw (2016年12月29日 17時) (レス) id: 59abd8695f (このIDを非表示/違反報告)
ししのめ(プロフ) - なとりうむさん» コメントありがとうございます！！私関西の方に詳しくなく...申し訳ないです、訂正して参ります。すみませんでした。指摘は嬉しい限りですのでお気になさらず、読んで頂き有難いです。これからも楽しんで頂ければ幸いです。 (2016年12月27日 18時) (レス) id: 6cdb4f864d (このIDを非表示/違反報告)
なとりうむ(プロフ) - ×木になって○気になって 連投並びに誤植すみませんでした;; (2016年12月27日 18時) (レス) id: 99128e2a06 (このIDを非表示/違反報告)
なとりうむ(プロフ) - 何だか上から目線での指摘のようになってしまい本当に申し訳ございません、関西在住の者としてはどうしても木になってしまいまして…これからも更新頑張ってください、陰ながら応援しております。 (2016年12月27日 18時) (レス) id: 99128e2a06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ししのめ | 作成日時：2016年11月10日 18時
