鏡の彼女2 ページ20
いつも通りを心掛け、座卓に座り込み、教材を広げるも、なんだか居心地が悪い。
ジリジリと体が蝕まれるのただ眺めることしかできないような、そんな気分。
この家でそんなこと思うのは初めてで、家主の影響をめっちゃうけてるとも思うが、私自身も焦っている。
いや、ほんと可愛かった。
そんな語彙力も糞も無いようなことしか思い浮かばず、あの目線の先に私がいたら、と思うだけで心臓がはち切れそうだ。
いやいや、こんな気持ちのまま講義は不味い、だってほんとに、ねぇ。
「とわぽん」
降って湧いた声に振り向けば、お盆に飲み物とお茶菓子、に、完全なジト目。
纏った黒いのに喉が軽く締まる。
「ま、まぁ、座りぃ？な？」
つらつらとそんな事を言って、Aちゃんを宥める。
コップ同士がぶつかる音を立ててAちゃんは座る。
迫力出てないか、この子。
「私、街を歩いていると変な人を見かけたのですが」
「奇遇ですね、私もなんですわ」
言い切る前に、至近距離にAちゃんの顔が来た。
「忘れて」
情けないことにそれに臆して腰が引けた。
せっかく顔が近づいたのに残念な事ではあるが、それでもトリートメントらしいいい匂いがした。
これだから美少女は。
「そんな嫌ですか、私に見られるの」
こんなに嫌がられては、今までの高感度もクソもないやん、とやさぐれて呟くと、へ、と知らない声が上がった。
驚いて視線をやれば、困り眉のAちゃん。
そんな顔出来たんだ、かわいい。
やなくて。
その長い袖で顔の半分以上を隠されたって、私の頭はそんな仕草が示す意味を探ってしまう。
ちらりと覗く赤い耳が全ての証明、
「恥ずかしがって、ます？」
「や、そーじゃない、」
大袈裟な程に体を逸らせて、Aちゃんは動きを止めた。
その耳と、態度と言葉から、狡い私の脳はいいようにAちゃんを理解しようとする。
期待しても、ええんやろうか。
「ビックリしただけ、どっちが素とか、考えないでね」
言い訳がましく付け足された言葉に、口角が歪むのを感じる。
はいはい、と流してやればちょっと腹立たしげな顔をしてお菓子を頬張り始めた。
可愛いなぁ〜すきぃ〜！と、でろでろに惚けきった私は完全に隠して置かなければただのクソオタだ。
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ししのめ(プロフ) - るりねぇ(*￣∇￣*)さん» コメントありがとうございます！恋愛系の参考になれているかはちょっと自信ないのですが楽しんで頂けているようで何よりです。これからもこの2人をよろしくお願いします。 (2016年12月29日 18時) (
レス) id: 6cdb4f864d (このIDを非表示/違反報告)
るりねぇ(*￣∇￣*)(プロフ) - とわこさんとの絡みものすごい好きです！私は恋愛系書けないので、凄い参考になりますw (2016年12月29日 17時) (レス) id: 59abd8695f (このIDを非表示/違反報告)
ししのめ(プロフ) - なとりうむさん» コメントありがとうございます！！私関西の方に詳しくなく...申し訳ないです、訂正して参ります。すみませんでした。指摘は嬉しい限りですのでお気になさらず、読んで頂き有難いです。これからも楽しんで頂ければ幸いです。 (2016年12月27日 18時) (レス) id: 6cdb4f864d (このIDを非表示/違反報告)
なとりうむ(プロフ) - ×木になって○気になって 連投並びに誤植すみませんでした;; (2016年12月27日 18時) (レス) id: 99128e2a06 (このIDを非表示/違反報告)
なとりうむ(プロフ) - 何だか上から目線での指摘のようになってしまい本当に申し訳ございません、関西在住の者としてはどうしても木になってしまいまして…これからも更新頑張ってください、陰ながら応援しております。 (2016年12月27日 18時) (レス) id: 99128e2a06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ししのめ | 作成日時：2016年11月10日 18時
