生活 ページ14
「兼ねてより気になってはいたんですが」
なに、と私を見つめるその瞳は当初より幾分暖かくなったと思われしAのもので。
なぜこんな事に、と思うがいつも通り座卓を囲んで講義していれば、自然と話が関係ない方向へ飛んでいっただけだと自己完結。
だってしょうがない、私だって1人の人間なので彼女の1人や2人とまともに話す時間がほしい。
いや、彼女は1人だけなんやけれども。
「リビングにでも親、ちゃんといるんです？」
何故そこに思い至るか、それは毎日割とオーバー目にここに訪れているのにどんな時間になっても一先聞こえない生活音、挙句の果てには3者で話させてくれと告げれば、2ヶ月先なら予定取れる、と即答えられたからだ。
親にでなくAに。
ちなみに、私がAの親にあったことがあるのは1度だけ、最初も最初の説明に来た時のみだ。
「今日は...いないね」
「やっぱり...」
「察してたの？」
きょとんとした顔でこちらを見上げるA。
そうそう、最近この子の表情が増えてきて嬉しい...ではなくて。
「あまりにも生活音が聞こえないもんですから、もしかしたらと思ってただけです」
へぇ、と呟くAは本当に感心した様子なのかはちょっとわかりかねる。
ただ、シャーペンから手を離して飲み物を取るあたり、話す気になったらしい。
飲み物を取るのが彼女の話したいときのサインだと気づいたのも最近だ。
「確か今週はサンフランシスコに行ってるはず」
「サンフランシスコ！アメリカ！」
「凄いアホっぽいね」
「あんたも言うようになったなぁ！」
「ブーメランだね」
くそ、この子が割と突っ込むようになって私がボケる回数が増えてる！これはあかん！
「まぁ順当に言ってIT関連ですね、Aの親御さん、いい感じにお洒落でしたからね」
良く覚えてますね、と啜るのはアプリコットティー。
その頬が少し赤らんでいる理由も当てられますよ、私に名前呼びされるからでしょう、呼び捨てで。
その顔めっちゃ可愛くて困るので早く慣れて下さい。
「まぁ、泊まりたい時は何時でも言ってくれれば」
照れ隠しか発したその言葉は私の中で爆弾に変わる。
え、泊まる！？とまるってあの宿泊の？へぇ？？？
「泊まっても、ええんですか」
「...だめ」
「せやろな！」
機会があれば泊まり倒そうと思います。
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ししのめ(プロフ) - るりねぇ(*￣∇￣*)さん» コメントありがとうございます！恋愛系の参考になれているかはちょっと自信ないのですが楽しんで頂けているようで何よりです。これからもこの2人をよろしくお願いします。 (2016年12月29日 18時) (
レス) id: 6cdb4f864d (このIDを非表示/違反報告)
るりねぇ(*￣∇￣*)(プロフ) - とわこさんとの絡みものすごい好きです！私は恋愛系書けないので、凄い参考になりますw (2016年12月29日 17時) (レス) id: 59abd8695f (このIDを非表示/違反報告)
ししのめ(プロフ) - なとりうむさん» コメントありがとうございます！！私関西の方に詳しくなく...申し訳ないです、訂正して参ります。すみませんでした。指摘は嬉しい限りですのでお気になさらず、読んで頂き有難いです。これからも楽しんで頂ければ幸いです。 (2016年12月27日 18時) (レス) id: 6cdb4f864d (このIDを非表示/違反報告)
なとりうむ(プロフ) - ×木になって○気になって 連投並びに誤植すみませんでした;; (2016年12月27日 18時) (レス) id: 99128e2a06 (このIDを非表示/違反報告)
なとりうむ(プロフ) - 何だか上から目線での指摘のようになってしまい本当に申し訳ございません、関西在住の者としてはどうしても木になってしまいまして…これからも更新頑張ってください、陰ながら応援しております。 (2016年12月27日 18時) (レス) id: 99128e2a06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ししのめ | 作成日時：2016年11月10日 18時
