＃30紫 ページ31
状況が理解できないからか、
知らない場所が怖いからか、
俺の腕の中で震え続けるシゲ。
緑「ｹﾎｯ...ｯは…ッ」
紫「シゲ大丈夫だよ。怖くないよ？」
でも進歩したのは俺らが抱き締めるのを拒まなくなったこと。
突き放すほどの力が無いからかも知れないけど。
桃「シゲ。ゆーっくり。ゆっくり息してね？」
緑「げほっ…ッ、ｹﾞﾎｹﾞﾎ」
そっと声を掛けても震えは止まらないままで、呼吸もままならない。
黄「…しげ。俺らしかいないよ？みんな味方だよ。」
さっきよりも強く。
シゲの存在を肯定出来るように抱きしめる。
緑「っ…や…はぁ…。」
呼吸は少しずつ落ち着いてきた。
少し離れてシゲと目を合わせようとする。
けど、あちこちに目線が飛んでいって俺とは一切目が合わない。
紫「ここね、手越の家。大丈夫だからね？みんな優しいよ。」
緑「や…ッど、こ…」
紫「てご。テゴのお家。」
緑「う”…けほっ」
気持ち悪くなっちゃったみたい。
多分貧血の症状なんだろうけど。
紫「気持ち悪くなっちゃったか…手越、袋とかある？」
桃「これで良かったら使っていいって。」
紫「ありがと。しげ？これに吐いちゃっていいよ。」
首を横に振るシゲ。
吐くものがないから吐きたくないんだろうな…。
あ、水。
紫「これ、水ね？ちょっとだけでいいから。お口の中入れて。」
半分無理矢理口に水を含ませるとすぐに袋に吐き出した。
緑「けほ…ごほっ、」
紫「横になろっか。ゆっくりね？」
横にさせてもなお体は震えている。
ふと熱とかは無いのか心配になって咄嗟に手を伸ばしてしまった。
もちろん避けられて、余計に怖がらせてしまった。
多分いつもだったら逃げようとするけど、
そんな力も無いのか大人しく横にはなっている。
シゲの視線は目の前の右腕に向けられた。
自分の巻き方と違うことに気づいたのか、
左手で右腕をきつく握りしめた。
痛いだろうに…
また浅く早い呼吸に逆戻り。
そっとシゲを抱き起こして背中を撫でてやる。
緑「やっ…き、たな」
紫「どこが？シゲは綺麗だよ。汚くなんかない。」
シゲは自分で汚いって思ってるかも知れないけど。
シゲは純粋で繊細で。
シゲの心が透明で綺麗過ぎるから。
周りの薄汚れた心も映し出して、
汚いって思えてるだけなんじゃないかな。
って俺は思う。
もちろんこれは仮説だから本当のことは分からないけれど。
ねぇ。シゲ。教えてよ。
シゲしか分からないんだよ。
答えは。
もしかしたらシゲにも分かんないかもだけど。
ただ、探すお手伝いはできるから。
一緒に探してこうよ。
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Ailice - さらさん» ありがとうございます！とても嬉しいです！気づかなくて…返信遅れてしまってすみません。 (2018年11月4日 20時) (
レス) id: 81b893cdcb (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 面白かったです。 (2018年11月3日 12時) (レス) id: 611db0c010 (このIDを非表示/違反報告)
加藤みさ(プロフ) - Ailiceさん» Aliceさんの世界観大好きなので、大丈夫ですよ！笑 長編読みますね笑 (2018年10月23日 22時) (レス) id: bdb462eccf (このIDを非表示/違反報告)
Ailice - 加藤みささん» ありがとうございます！長編頑張る笑笑でもかなり世界観が独特かもしれない…。 (2018年10月23日 19時) (レス) id: 81b893cdcb (このIDを非表示/違反報告)
加藤みさ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！いやぁ〜面白かったです！！次回の長編も絶対読みます！待ってます〜♪ (2018年10月23日 18時) (レス) id: bdb462eccf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ailice | 作成日時：2018年10月12日 7時
