＃13黄 ページ14
本当は俺は。
こいつがこうなった理由を知ってる。
加藤の親友だった。
俺の友人だった。
坂部暁人。
暁人は無邪気で、いっつも笑ってて。
今で言う手越みたいなやつだった。
でも、虐められてた。
暁人って人当たりもいいし、優しいし。
誰かの恨みを買うようなやつじゃなかった。
けど。それが逆に恨みを買った。
格好良くて。優しくて。頭良くて。
完璧だったから。
あいつが居なくなったその時には居なかったけど。
暁人と学校以外で遊んだことは無かったから。
死んだんだって聞いてそりゃあ俺も悲しかったよ？
でもそれよりも膨れ上がった思いは憎しみだった。
加藤が一緒に居たっていうのに、
なんで止めなかったんだって。
なんであいつを見殺しにしたんだって。
壊れた加藤を見て少し、少しだけ喜んだのが事実。
でも、最近考えた。
なんでこいつがあいつを止めなかったのか。
頭の中身が見えないからあれだけど。
やっぱりお互い不器用同士だったんじゃねぇかって。
暁人も加藤も。
優しいの定義が分かんないから。
加藤の中で暁人を止めないのが優しさだったんじゃねぇかって。
多分だけど。
俺だったら無理やりでも止めるから。
俺の中では優しさだけど。
あいつにとっては苦痛でしかないかもしれない。
自分を殺そうとするくらいだから。
あいつが自分を殺す前。
最期の学校の日。
俺はあいつに言われたんだ。
『まっすーは、ちゃんと生きるんだよ？生きていいんだよ。』
訳分からなかった。
すぐに走っていって加藤の元へ行ったから意味なんて聞けなかったし。
普段から変なこと言う奴だったから俺はそこまで気にし過ぎなかった。
でも加藤はどうにかこの言葉に縋って生きてきた。
あいつの中で暁人は大きすぎる存在だったから。
消失感なんて尋常じゃないものだっただろう。
何か暁人を象徴するものを手にとっておきたかったから。
加藤はその暁人の最期の言葉をそれにした。
そして俺はその言葉を加藤に投げかけてみた。
緑「ぁ、きと…っ」
ほら。正解。
桃「まっすー？」
緑「ぁき、と…ッ」
紫「あきと？」
俺らの真ん中で蹲っている加藤。
震えて怯えて拒んで。
黄「そう、暁人。
シゲ、だっけ。よく話してたよ。
面白い奴だって。人見知り過ぎて困るって。」
緑「ばか…」
黄「お前のこと話してる暁人めっちゃ幸せそうな顔しててさ。
こっちがうざくなってくるくらい。」
緑「あの…やろ…も、やだ…」
黄「んふ。ほら。俺らが暁人になるよ。
あいつには敵わないけど。顔、上げて？」
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Ailice - さらさん» ありがとうございます！とても嬉しいです！気づかなくて…返信遅れてしまってすみません。 (2018年11月4日 20時) (
レス) id: 81b893cdcb (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 面白かったです。 (2018年11月3日 12時) (レス) id: 611db0c010 (このIDを非表示/違反報告)
加藤みさ(プロフ) - Ailiceさん» Aliceさんの世界観大好きなので、大丈夫ですよ！笑 長編読みますね笑 (2018年10月23日 22時) (レス) id: bdb462eccf (このIDを非表示/違反報告)
Ailice - 加藤みささん» ありがとうございます！長編頑張る笑笑でもかなり世界観が独特かもしれない…。 (2018年10月23日 19時) (レス) id: 81b893cdcb (このIDを非表示/違反報告)
加藤みさ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！いやぁ〜面白かったです！！次回の長編も絶対読みます！待ってます〜♪ (2018年10月23日 18時) (レス) id: bdb462eccf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ailice | 作成日時：2018年10月12日 7時
