Cafune 2 (ページ5)

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7.一途ページ5

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こんなに誰かのことを好きになるなんて、今までもこの先ももう二度とないと思う。

よく分からないけど、勘だけど、そう思う。

ずっと彼女のことを“一途”に想ってこの高校生生活を終えるのだろう。

あわよくば一生彼女の隣にいて、“一途”に想うことが出来たらいいなぁなんてよく考えてしまう。

そんなことが叶うことはないのだろう。

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「ねぇ、Aちゃん？」

「なに？平野くん？」

「ううん、特に何も無いけど呼びたくなった」

「用がないなら呼ばないでよ」

「いいじゃん、Aちゃんこっち向いてくれないし」

「こっちにも色々あるの」

全く彼女は俺に興味も示さない。

それどころかこっちすら向いてくれないし。

隣に俺がいることを忘れているのだろうかと思う程に、ずっと授業中も休み時間も俺とは反対方向か前を向いている。

その色々を教えてよ、その声を発する前にまた彼女は反対方向を向いてしまったから、その疑問を飲み込んだ。

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Aちゃんのことが好きだ、とそう思い始めた頃から俺の気持ちとは反比例するかのように彼女の態度は少しずつ冷たくなっていく。

夏休みが明けてすぐの頃に至っては、何故か彼女が廉と話しているところすらも見なくなった。

二人の間で何かあったのだろうという予測くらいは馬鹿な俺にでも立てられる。

夏休みが終わり、一ヶ月経った今はもう二人はほぼいつも通りに戻った、そう思える。

じゃあ彼女の行動一つ一つがよそよそしく感じるのは何が原因なのか。

俺の気持ちが彼女にダダ漏れなのかと思ったけど、そういうわけでもなさそう。

純粋に俺の事が嫌いなだけなら良くないけど、いいけれど。

彼女があんな風なら心配にもなるし、俺がアピールするも何も出来ない。

きっと俺の声は彼女の元へとは届かないだろう。