だけど、好き

episode32 ページ34

Aside









言われた通りに百合の家に向かった。









ピンポーン。









百｢急に呼んでごめんね、入って！｣









｢話って何？｣









百｢増田先輩の話なんだけど。

先輩ね、東京に行ったんだ｣









｢え、なんで？｣









百｢彼女さんを追いかけて。



先輩には大学生の彼女さんがいたの。
彼女さんは夢のために東京に行ったの。
先輩を置いて。

先輩は高校を卒業してから東京に行くつもりだったんだって。
でもね、Aのこと好きになっちゃったの。｣









｢うそ、私のことなんかを？｣









百｢うん、Aのことを。


でもね、これじゃダメだと思ったんだって。
彼女さんだって先輩と離れたくて離れたわけじゃないから。

でも、これ以上Aと一緒に居たら、もっと好きになっちゃうと思ったんだって。

手越くんとAを昔みたいに戻そうとして、相談にのってたのに。
俺がAのことを好きになったら意味が無いって｣

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