シルビア、順応したい。 ページ5
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「嘘……でしょ?」
数十分前まで和やかに遊んでいたこのゲーム。
ただし画面の前で、だけど。
キャラクター名「シルビア」。
妖精みたいな名前と容姿の設定をして、あんまり闘いたくないから回復係みたいなものにして。
だけど、もともとギルドとかでのんびり遊びたいだけだったのに。
自分の意志で動く色白の華奢な手を見て、呆然とした。
匿名のメッセージが届いてから数分。
周りの人は慣れていた世界だからか、すぐため息をついて動いていたけれど。
わたし、臆病だしのろまだから、やっていけるはずなんてないし。
「ねえねえ、お嬢ちゃん」
いきなり後ろから声をかけられたかと思いきや、肩の上に乗っかる大きい手とはずされるフード。
「俺と一緒に動こうよ……」
耳元に息がかかる。
わたしには耐えられない人との距離だった。
「――――ぁッ……――」
気がつけばわたしは走り出していた。
周りの人への迷惑も考えず、ただただ自分のことだけ考えて。
――大丈夫。迷ってもマップ見ればすぐ分かるし、だいじょうぶ、だいじょうぶ――
「……ふぅっ……もう大丈夫、かなぁ」
森の中まで来て、わたしは足を止めた。
相手は魔物じゃない、根は優しい人なのに、こんなところまで逃げてしまう。
そんな自分が、こんな危ない世界で生きていけるのだろうか。
「……ギルドまで、結構……まあ、近いか」
ギルドに行ったら何とかなるかもしれない、と根拠の無い自信を抱えて。
シルビアはスキップで向かっていった。
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シルビアちゃん基本的に臆病で割と読んでる側としてはムカつく子です。
でもちゃんと成長しますので穏やかに見ていってあげてください……
2人がお気に入り
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花梨(プロフ) - ラップさん» 了解です〜 (2018年5月29日 21時) (レス) id: 0d633d3490 (このIDを非表示/違反報告)
ラップ - 確認しました。コメント削除お願いします (2018年5月29日 21時) (レス) id: a520441577 (このIDを非表示/違反報告)
ラップ - おkです (2018年5月29日 21時) (レス) id: a520441577 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - ラップさん» いいですよ〜今送っても大丈夫ですかっ? (2018年5月29日 21時) (レス) id: 0d633d3490 (このIDを非表示/違反報告)
ラップ - 始まっておられましたか!パ、パスワードを・・・ (2018年5月29日 21時) (レス) id: a520441577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花梨 x他5人 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年5月5日 20時