【モブサイコ100】愛される。【短編集】 (ページ2)

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スマホ　　　花沢輝気ページ2

僕は花沢輝気。

ここ黒酢中の裏番として一部の間では有名だよね。

そんな僕の携帯には今まで数えきれないぐらいたくさんの女の子の連絡先を登録してきた。

みんな自分のこと僕の彼女だと思い込んでるみたいだよ。ほんとおバカさんだよね。

ほんとは僕みんなのことなんか心の底から好きではないしもちろん愛してなんか全然ないよ。

まあでも、そのおかげで僕はここまで人気になれたんだ。女の子ってほんと単純で便利だよね。

ちょっと真剣な顔で「好きだよ」って言っただけで顔を真っ赤に染めちゃってさ、「私も、好き！」なんて言っちゃって。

でもある時塩中の影山茂夫っていう素晴らしい男の子のおかげで今まで自分のしてきた数々のことに気づかされたんだ。

その時僕は一皮剥けたんだ。今まで嘘をつき続けてきた女の子たちにはきちんと謝って、連絡先は削除した。

僕は決めたんだ。もう嘘はつかない。自分の人生、心の底から愛してるって思える人に捧げることにしたんだ。

そして僕はある時Aさんという人に出会ったんだ。僕よりは年上なんだけど、とても優しくて心の広い人。

僕はその人に惹かれた。

いつもにこにこしていて、どんな話も受け入れて真剣に聞いてくれる。

僕はその人に人生を捧げるんだ、ってピンときたね。

その人のことが大好きで、愛している。

僕が傍にいて守ってあげるんだ。

僕の携帯にはAさんの連絡先しかない。僕はその人に全てを捧げるって決めたからね。

大好きな人に一生を捧げるなんて素晴らしいことじゃないか！そんなにも幸せなことってあるかい？

毎日最愛のAさんのことだけを考えてAさんのために生きる。

僕はすごく幸せだった。

＿＿＿＿Aさんのスマホの連絡先にたくさんの男の子の連絡先があったことに気づくまではね。

僕はそのことに気づいたときすごく落胆したな。

でもAさんに人生を捧げるって決めたのは僕。

Aさんの中では僕は一番じゃないと思うけど、僕の中ではAさんは一番なんだ。

というよりAさんしかいないって言った方が正確だね。

だから僕はAさんのことを愛し続けるしAさんに貢ぎ続けるよ。

Aさんはきっと僕がこんなにも君のことを想ってるなんて知らないんでしょ？

こんな僕に貢がれるなんてAさんは幸せ者だね。