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ハザマへの依頼料は、今回前払いされた半分の依頼料全額でカタをつけ、次回からは絶対着替えてから訪れようと心に誓いながら──最後には面倒になって、そのままハザマの所へ直行するであろう安い誓いだが──居城へと帰った後、そこから流れ作業の様に単純で、身を清め、清潔な服に着替えて、ベッドで彼女は死んだ様に眠りについた。そのせいか、次にベッドから落ちて目を覚ました頃には日が暮れていて、夜明けと勘違いしたロベルティーネが朝市の買い出しに行こうとしたのは此処だけの話である。
 血濡れの服はその翌日、教会周辺から掻き集めた枯葉と共に燃やし、証拠隠滅と同時に朝食を作る調理火として利用した。外で作る食事も中々乙ではあったが、欠点としては火起こしが面倒なのと、煙が凄い事ぐらいだ。此処で注意すべき所は、火事と勘違いされない為に調理が終わったらすぐに消火させる事。彼女は一度だけ、小火騒ぎを起こした事がある。その時は読書仲間であり、同業者でもあるシャルロ・ヴィッカーズとヴァレリー・シャムロックにドン引きされた上に、今や笑い話となっている。二度とそんな事が無い様に細心の注意を払いながら、楽しくも何とも無い焚き火をして、何事も無く朝食のスープを作った後、すぐに消火した。あの日着ていた衣類は全て灰となって、 同じく灰となった枯葉と共に混ざり合う。
 これがつい先程の出来事。現在は小腹が空いたと言う理由でパンを頬張っているだけであり、決してスープでは足りなかった訳では無い。女の子は可愛い物とお砂糖、スパイスで出来ている──と言っても、ロベルティーネの場合はスパイス増し増し、ケミカルX以外にも鋼やナイフ等で錬成されていそうだが──ので、体重の話はやたら無闇に聞いてはならないのだ。
 そんな事は兎も角として、今回の仕事は依頼人に後始末を勝手に(・・・)してもらう事にした。その内容については触れないにしろ、物の目利き素人のロベルティーネから見ても品が無い製品を世界に送り出すのは害悪だ。死んだターゲットの為でも、その家族の為でも無い。己の利益の為に消えて欲しい。只、それだけである。
 何処かも知らない街で起きた火災事件の見出しを折り畳む。そこには、何処か見掛けた顔──

「やぁ、こんにちアッづ!?」

 驚いたロベルティーネが起き上がってしまい、ゴチッと良い音を立てながら、お互い額と額を思いっきりぶつける。二人揃って額を抑え、蹲る光景は笑い話そのものだった。

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十二月三十一日(プロフ) - づみさん» 有難う御座います。読んで頂き光栄です。更新頑張りますので、今後共宜しくお願いします。 (2018年3月3日 2時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
づみ(プロフ) - お話がとても好きです、更新たのしみにしています。頑張ってください〜 (2018年3月2日 16時) (レス) id: 688586594f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十二月三十一日 | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年1月18日 21時

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