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グルッぺンは勿体ぶって咳払いして、それから再び口を開く。
「戦え。闘争せよ。欲しいものは奪ってこそ、護りたい者のためなら強く在ってこその軍人だ。そのための研鑽と努力を、我々生徒会は奨励しよう」
力強く、見るものを魅了する堂々とした挨拶は、会場のボルテージをぐっと上げる。
普段のグルッペンくん(5さい)みたいな彼を知っている私ですら、感嘆の溜息を漏らすほどに、彼の姿は人の上に立つに相応しいものだった。
……そこまでは良かったのだ。
グルッペンが、余計なことを言う、その時までは。
「但し！この私にも絶対に譲れないものがある。
……我が最愛の婚約者、A・シュレインが、この度この士官学校へと入学した。彼女に手を出す者、そうでなくとも邪な考えを抱いたものには一切の容赦をせん。
肝に銘じておきたまえ」
ドヤ顔だった。
グルッペンは壇上でドヤ顔し、ご丁寧に私に向けて手を差し伸べるジェスチャーまで混じえてくれやがった。
お陰様で新入生一同が一糸乱れぬ回れ右を披露し、私は数多の視線に晒されることとなる。
『グルッペン……っ！』
なぁんで新学期早々、しかも入学式の真っ只中に自分の婚約者を紹介していいと思ってしまったんだろうか。
そしてなぜ私の許可も得ずして大衆に紹介してしまったんだろうか。
どうやったらこんなに傍若無人な男が育つというのだ。
誰か教えてクレメンス。
「んふふっ、めっちゃ目立っとるなぁお嬢」
『こらそこ、笑わない！
あぁ……この上なく不本意っ、日和見バンザイ事なかれ主義者な私に、私の意思を無視した注目は集めないで……っ！』
「何言うとるん、Aは特攻バンザイ脳筋主義者やろ。そんなんやから戦争狂の皇子にここまで入れ込まれんねん……アホなん？」
『えっ、殴るよ？』
私たちは小声で、熾烈な舌戦を繰り広げる。
話している内容が内容なだけに、とても幼稚に聞こえるが私は本気である。
「以上を以て、生徒会長挨拶とさせて貰おう」
そうこうしている間に、グルッペンの挨拶が終わった。
まだチラチラと周りの生徒から視線を感じるが、一応波は去った。
「それでは、これにて閉会とさせていただきます。新入生の皆さんは、自分のクラスを確認してホームルームへ移動してください」
ロボロ先輩のアナウンスが入り、皆バラバラに席を立つ。
……さて、どうか安寧の約束されたクラスでありますように。
私は儚い祈りを胸に、シャオロンとゾムに続いてその場を後にした。
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にしん - 最高です！！！主様のペースで頑張ってください！！！ (8月14日 0時) (
レス) @page47 id: fba3ad8149 (このIDを非表示/違反報告)
シン(プロフ) - ヒロインちゃん可愛い！！そのまま夢主だけを見ていてくれ。そしてずっと可愛くいてくれ。 (8月8日 14時) (レス) @page47 id: b4bec54921 (このIDを非表示/違反報告)
涼風音欧(プロフ) - かれーるぅ。さん» かれーるぅ。さん、コメントありがとうございます！番外編は天才すぎるアイディアですね……採用させてください！「転生悪役令嬢の余暇には攻略対象の影がある」というお話にて、悪役令嬢たちの日常編を書いていこうかと思います。よろしければ覗いて見てください！ (8月3日 21時) (レス) id: d3245f1ebf (このIDを非表示/違反報告)
涼風音欧(プロフ) - 奥山乃愛さん» 奥山乃愛さん、コメントありがとうございました！返信遅れまして申し訳ありませんm(*_ _)m まだ全員出せてませんが、みんなの矢印が悪役令嬢に向かう予定です！応援ありがとうございます！ (8月3日 21時) (レス) @page28 id: d3245f1ebf (このIDを非表示/違反報告)
かれーるぅ。 - 神作品をありがとう！！！！（初コメですすいません）番外編とかないですか！？shp君とお出かけとか、一日だけ好感度見れるとか！そういう番外編が欲しいです！採用お願いします！ (8月1日 10時) (レス) @page40 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼風音欧 | 作成日時：2021年10月26日 23時
