露骨なのに弱い ページ12
「うわっ、綺麗…!」
いつもパンツスタイルのいづ姉は、珍しくロング丈の白いワンピースを着ていて魅力が5割増だ。
透け感のある黒のカーディガンが大人の女性〜って感じで、もしも真澄先輩が見たりなんかしたら鼻血を出しちゃうかもしれない。現に私も出そう。
東さんは、ほっそりしたシルエットのシャツにガウチョパンツを合わせていて、彼の中性的な魅力をぐっと引き出すようなコーデだ。
セレブみたいな大きなつばの帽子も似合ってるし、こんな美人が歩いてて大丈夫かな。ショッピングモールのお客さん気絶しない?
「ふふっ、ありがとう。みんなもかわいいよ」
「お洒落してお出かけなんて、ちょっとワクワクしますよね。丞さんが車で待ってくれてるし、そろそろ行きましょう!」
私たちが車に向かうと、既に丞さんがエンジンをかけて待っていてくれていた。
「丞さん、今日はお願いします!」
「あぁ、東さんから聞いていたからな。送り迎えは任せてくれ」
「ありがとうございます、助かります」
東さんは助手席に、私といづ姉、幸ちゃんが後部座席に乗り込むと、車は出発する。
空いた窓から流れ込んでくる風が心地良い。
道中、東さんが旅行先の有名な観光地の話をしてくれたり、幸ちゃんの学校の話を聞いたりしていたら、あっという間にショッピングモールに着いた。
丞さんは、迎えが必要になったらまた連絡をくれ、と言って帰ってしまったが、ショッピングはここからが本番。
私が駆け足で入店しようとすると、後ろから幸ちゃんの声がかかる。
「アンタのはオレが選んであげるから、一緒に行くよ?インチキエリートを骨抜きにしてやらなきゃね」
正直、スク水しか持っていない私に水着を選ぶセンスがあるかどうかは怪しいので、幸ちゃんのプロデュースはなんとも心強い。
心強いのだが……
「幸ちゃん、幸ちゃん。なんでおすすめが露出度高めのビキニばっかりなんでしょうか……幸ちゃんが買おうとしてる、カワイイ系の水着じゃダメですかね……」
先程から彼が持ってくるおすすめ商品は、だいぶセクシー路線を攻めているというか、私が思ってたより上級者向けっぽい感じがしないでもない。
「何言ってんの。人によって似合う系統が違うのは当たり前でしょ。アンタにはフェミニン系よりセクシー系が似合うと思うけど?……それに、至はこういう露骨なのが好きな変態だって、Aも知ってるでしょ」
幸ちゃんはニヤリと笑う。
そりゃ、確かにその通りだった。
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涼風音欧(プロフ) - すすさん、コメントありがとうございます。そう言って貰えて嬉しいです!不定期ですがこれからもお付き合いください! (2021年2月5日 9時) (レス) id: 8feba5476c (このIDを非表示/違反報告)
すす(プロフ) - ほんとにこの作品好きです!更新頑張ってください! (2021年2月4日 0時) (レス) id: 3c8d12b151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼風音欧 | 作成日時:2021年1月25日 5時