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何を期待したのだろうか、大臣は持っていたワイングラスを置いて立ち上がり、私の腰を抱く。
「そうかそうか、そういうことでしたら、喜んでお相手いたします。これでも若い頃は数多の女を泣かせたものでね、A嬢にもご満足いただけると思いますぞ」
『まぁ、楽しみね』
加齢臭と香水の混じった匂いのするベッドに押し倒され、大臣が私に馬乗りになる。
「ははっ、あなたも悪い方だ、A嬢。こんな事が表沙汰になれば、第1皇子殿下との婚約関係も終わりですぞ」
『そうね、終わってしまうわね。……終わるのはあなたの方ですけど』
私がニヤリと口角を釣りあげた瞬間、天井から人影が降ってきて、大臣の喉元にナイフが突きつけられた。
「今すぐその汚ぇ手をお嬢から退けろや、カス」
「ヒィッ！？」
殺気で目をギラつかせたゾムが、大臣をギリギリと締め上げる。
同時に部屋の扉も破られ、中に騎士団が流入してくる。
「外務大臣、ノーマン卿！貴殿には麻薬密輸入と、その流通の容疑が掛けられている！即刻投降せよ！」
「わ、わかったから！こいつをどうにかしてくれ！」
罪を認めた形になった大臣が、騎士団に連行されていく。
2人きりで残された部屋の中、ゾムが私の手を取った。
「ごめんな、お嬢。俺がついとったのに、お嬢のあんなに近くに、あんな汚いおっさんが……怖かったやんな」
『怖くはなかったわよ？だって、ゾムが来てくれるって分かってたもの』
「……ホンマ？俺、お嬢のこと守れとった？」
『えぇ、私はあなたに守られてた。だから、多少の無茶だってできたのよ』
私が微笑めば、ゾムが切なそうに抱きついてきた。
『どうしたの？あなたは昔っから甘えんぼね……んっ……！？』
すり、と首元に顔が寄せられ、自然に押し倒される。
『……ゾム？』
「お嬢、まだクスリ残っとるやろ？苦しいんとちゃう？」
『それは……』
「俺が楽にしたるよ。だから、お嬢はそのまま、俺を受け入れて。拒まんといて」
泣きそうな瞳に、抵抗する気も失せる。
言われてみれば体の熱がぶり返していて、正直とても辛い。
そりゃもう、
意識を保つことさえ
出来ない、
くらい……
「お嬢！？うせやろ、気ぃ失ってもうた……」
ゾムの声だけが、虚しく部屋に響いた。
＊＊＊＊
あとがき
夢崎咲さん、リクエストありがとうございました！
zmさんと暗躍……暗躍？
もっと軍パロ感強い方が良かったかな……
楽しんで貰えたら嬉しいです！
続く
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かれーるぅ。 - 涼風音欧様！番外編のリクエストを受けていただき、ありがとうございます！できれば、grさんとosさんでお茶会ってできますか？できればでいいのでお願いします！ (8月24日 19時) (
レス) id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
涼風音欧(プロフ) - 夢崎咲さん» コメントありがとうございます！書かせていただきます！ (8月5日 21時) (レス) id: d3245f1ebf (このIDを非表示/違反報告)
夢崎咲 - zmさんと暗躍してほしいです！もしよろしければおねがいします。 (8月5日 7時) (レス) @page4 id: c31cf4a45c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼風音欧 | 作成日時：2023年8月3日 21時
