＊ ページ8
ハニトラ描写ありです
side・zm
「お嬢！」
パーティーホールから、不自然に人が出入りする箇所をみつけ、やっと見つけた隠し通路を進んでいると、正面から見覚えのありすぎる姿がやってくるのが見えた。
慌てて駆け寄った時には、既にお嬢の息は不自然に上がり、隠しようのない色香を漂わせた様子で廊下に蹲っていた。
「お嬢！……誰や、誰にこんなことされた？」
俺の大事な一輪の薔薇に、至高の宝玉に、一体誰がこんなことを。
絶対に殺す。
死んだ方がマシって思うくらい痛めつけて、ぐちゃぐちゃにしてから殺してやるんや。
『待って、ゾム。これ、件のクスリの入ってた注射器。中に成分が残ってるはずだから、持ち帰って鑑定させるわよ。それと、至急軍部か騎士団に連絡をつけて。今から包囲すれば、裏の社交場をそっくりそのまま抑えられるはず』
「お嬢、クスリ打たれたん……！？」
『私は平気。ゾムが来てくれたからかしら、さっきより意識がはっきりしてるの。このまま大臣の居室に乗り込んで、奴の動きを封じるわ』
まだ目元に熱を残しながら、先程よりも毅然とした表情で語るお嬢に、俺は頷かざるを得なかった。
彼女の、こういうところに惹かれているのだ。
それを止めるなんて、俺にはとても出来ない。
「じゃあ、俺は外で待機してる部隊に知らせてくるで。お嬢は、絶対に無茶せんといて。お嬢が傷つくなんて、ほんの少しでも耐えられへん」
『えぇ、分かってる。頼むわよ、私の腹心、最高の忠臣』
「んふふ、当たり前やん」
妖艶さと威厳を放つ彼女の言葉に、背筋がゾクゾクした。
こんなに美しい人からの頼みを、断る理由がない。
「すぐに戻ってくるな」
俺は窓から屋敷を抜け出して、夜の街を駆けた。
side・A
熱の残る体を気力で動かして、大臣の居室へ向かう。
止めようとする大臣の私兵たちは、申し訳ないが権力と令嬢スマイルで黙らせて、パーティーホールから離れた母屋の最上階へ向かう。
『ごきげんよう、大臣殿』
「なっ！A嬢！？何故ここに……」
『んふふ、どうしてだと思います？あなたの後押ししている、後暗くて素敵なパーティーに、縁あって招待していただいたの……』
私が意識してうっとりと微笑めば、大臣はみっともなく鼻の下を伸ばした。
『そこで魅力的なプレゼントを頂いてね、この昂りを、主催者たる大臣殿と、共に味わいたくて参りました。……はしたない女は、お嫌いかしら？』
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かれーるぅ。 - 涼風音欧様！番外編のリクエストを受けていただき、ありがとうございます！できれば、grさんとosさんでお茶会ってできますか？できればでいいのでお願いします！ (8月24日 19時) (
レス) id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
涼風音欧(プロフ) - 夢崎咲さん» コメントありがとうございます！書かせていただきます！ (8月5日 21時) (レス) id: d3245f1ebf (このIDを非表示/違反報告)
夢崎咲 - zmさんと暗躍してほしいです！もしよろしければおねがいします。 (8月5日 7時) (レス) @page4 id: c31cf4a45c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼風音欧 | 作成日時：2023年8月3日 21時
