zm:潜入 ページ5
『どうしてこうなった……』
「んふふ、お嬢、めっちゃ似合っとる。かわええな、宝箱に閉まって鍵かけときたいくらいやわ」
『不穏すぎ』
普段の社交でも着ないような、派手で露出度の高い緑色のドレスを身に纏いながら、私は頭を抱える。
『外務大臣が危ないクスリの密輸入の犯人っぽいから、パーティーに潜入して情報を抜いて来いって……？こんなん見習い兵士の仕事でも公爵令嬢の仕事でもないでしょ……頭おかしいんか、我が国の上層部は』
「そんなこと言ったって、しゃーないやろ。いきなり大臣の家のパーティーに乗り込んで追い返されないのなんて、お嬢かグルッペンくらいのもんやし。さすがに皇子様に危ないことさせられへんやろ？」
『そうね、確かにそうだわ。でも、だからって、こんな格好……』
「女好きで有名な大臣やから、派手な格好の方がいいはずって言ったのお嬢やろ？俺はお嬢のリクエストに合わせて調達してきたで？褒めてや？」
『こんな露出度になるなんて誰も思わないじゃん……これ、服ってか、布じゃん……』
マーメイドラインに深いスリットの入ったドレスは、下に行くにつれて緑の色合いが深まる美しいデザインだ。
ただし、背中ががっつり空いていたり、おへそ辺りにも謎の穴が空いていたり、“あー、確かにそこの布なくてもお洋服って成立するわね”と危うく納得させられそうになる際どい造形をしているものとする。
「とにかく、大臣の屋敷に向かおうや。今日は俺が着いてるんやし、危ないことなんてひとつもあらへんよ」
『そうね、潜入の相方がゾムなのが唯一の救いだわ』
これで、相手がまるで知らない同級生とかだったら潜入前に倒れているところだった。主に羞恥が原因で。
「こ、これはようこそ、A嬢」
脂ぎった額を冷や汗でさらにテカテカさせた外務大臣が、屋敷の前に降り立った私たちを見て上擦った声を上げた。
彼の視線が私の体を舐め回すように彷徨うが、不快感をぐっと堪えて笑う。
『急な訪問でごめんなさいね？大臣が、何やら楽しそうな催しを開かれると聞いて、居ても立っても居られなくって』
「そ、それは光栄ですな。直ぐにご案内いたします……それで、そちらは、A嬢の？」
『えぇ、今日のエスコートは彼に任せていてよ』
「左様ですか……ささ、こちらへ」
大臣が贅肉を揺らしながらどしどしと歩く後ろを、ゾムのエスコートでついて行く。
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かれーるぅ。 - 涼風音欧様！番外編のリクエストを受けていただき、ありがとうございます！できれば、grさんとosさんでお茶会ってできますか？できればでいいのでお願いします！ (8月24日 19時) (
レス) id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
涼風音欧(プロフ) - 夢崎咲さん» コメントありがとうございます！書かせていただきます！ (8月5日 21時) (レス) id: d3245f1ebf (このIDを非表示/違反報告)
夢崎咲 - zmさんと暗躍してほしいです！もしよろしければおねがいします。 (8月5日 7時) (レス) @page4 id: c31cf4a45c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼風音欧 | 作成日時：2023年8月3日 21時
