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side・syp
『……でも、もし私が全てを失って、それでもあなたが私を望んでくれるなら……その時は、攫ってくれてもいいのよ』
ほんのりと頬を赤く染めたAさんがそう言った。
それはきっと、会場の熱気のせいだけじゃなくて。
……ずるい。
咄嗟に出たのはそんな感想だった。
そんな、期待するみたいな目で見られたら、俺は今すぐにだってアンタを攫えるのに。
アンタが全てを失うまでは、この手に抱き寄せることが叶わないなんて……とんだ生殺しだ。
でも、同時に、Aさんらしいとも思った。
彼女が、自分から望んで、背負っている責任を放棄するなんてありえない。
それは、入学してから同じクラスで、生徒会で、彼女のそばに居続けたからこそわかる事だ。
それなら、俺は待とう。
彼女が全て失って、俺しか頼りが居なくなった時、この高貴で気高いお姫様は、ずっと最底辺で燻っていた俺の手に堕ちるのだ。
……そう考えれば、待つのだって悪くない。
「そろそろ帰りましょうか」
『えぇ、あまり遅くなると門限が危ないわ』
俺が差し出した手を、Aさんがなんの躊躇もなく握る。
その白魚のような綺麗な手を包み込んで、内心でほくそ笑んだ。
「ほんまに、危機感のないお姫さん」
＊＊＊＊＊＊
紙面余ったのであとがき！！
本編の方でリクエストいただいたﾋﾟくんとのお出かけのお話でした〜！
しばらくは本編に捻じ込めそうになくて……こちらで失礼します……
リクエストくださった かれーるぅ。様 ありがとうございました(^O^)
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かれーるぅ。 - 涼風音欧様！番外編のリクエストを受けていただき、ありがとうございます！できれば、grさんとosさんでお茶会ってできますか？できればでいいのでお願いします！ (8月24日 19時) (
レス) id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
涼風音欧(プロフ) - 夢崎咲さん» コメントありがとうございます！書かせていただきます！ (8月5日 21時) (レス) id: d3245f1ebf (このIDを非表示/違反報告)
夢崎咲 - zmさんと暗躍してほしいです！もしよろしければおねがいします。 (8月5日 7時) (レス) @page4 id: c31cf4a45c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼風音欧 | 作成日時：2023年8月3日 21時
