拒否権はない感じですかね ページ6
『鬱……私が？まさか』
「嘘だと思うなら構わねぇがな。ここで過ごすのは決定事項だ。放っておけばテメェは死ぬ」
『……別に、良いですよ。殉職なら許して貰えそう』
「そういう所が鬱だって言ってんだろ……。ルーム！」
ローがそう言うと、先程発現した能力と同じ結界のようなものが、同心円状に拡がって船室をすっぽり覆い尽くした。
『なにを……！？』
「スキャン、タクト！」
彼の台詞とリンクするように、私の持っていた銃、ナイフと身分証まで、持ち物全てがローの足元に集められてしまった。
「シャンティ・A……ほう、この歳で少将か。船内で暴れられても困るからな、この辺のものは全部没収させてもらおう」
『か、返しなさい！卑劣な海賊め……』
「分かってねぇようだが、テメェは今その海賊に捕まってるんだ。あまり吠えねぇ方が良い」
『っ……』
私が言葉に詰まると、彼は機嫌良さそうに口角を上げる。
「いい子だ……。それと、ここで過ごす上で服はこれを使え。海軍の制服なんざ着られていたら、こっちのクルーまで気が張っちまう」
投げて寄越されたのは、白色のつなぎ。
『拒否権はない感じですかね』
「Aみてぇなガキには多少サイズがデカいだろうが、イッカク……俺のクルーにひとり女がいる。そいつに言えば手直ししてくれるはずだ」
『待って、話すら聞いてくれないよこの人……。まぁ良いですけど、とりあえずこの拘束具を解いてくれなきゃ、着れるものも着れません』
「ひとりじゃ出来ねぇってなら俺が脱がしてやろうか」
『拘束具外せって言ってるんですけどね、私は。人の話を聞きやがれください』
そうして、無事に拘束を解いて貰った私は、堂々とその場に居座ろうとするローをなんとか追い出してつなぎに身を包む。
海軍の制服以外を着るのは本当に久しぶりで、なんだか生まれ変わった気分だ。
『着ましたよ、ローさん』
扉を開ければ、そこには。
「お前がキャプテンの言ってた新入り？」
「おっ、かわいい子じゃん！」
「年下の海軍を攫ってきて仲間にするなんて、キャプテンも隅に置けねぇな〜！」
「うるせぇお前ら。こいつは病人だって言ってんだろ」
ローのみならず、ハートの海賊団のクルーたちが揃って私を出迎えていた。
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早桃 - んもー！めっちゃ好きです〜！！無理せず更新頑張ってくださいねぇぇぇ！応援してます！ (2022年10月20日 21時) (
レス) @page9 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
はるふ(プロフ) - 神作見つけてしまった😎これから応援しています🫡 (2022年10月20日 20時) (レス) @page9 id: 1cfa02e0c5 (このIDを非表示/違反報告)
涼風音欧(プロフ) - サメ好きさん» コメントありがとうございます！そんな風に言ってもらえるなんてとても嬉しいです、気長にお付き合いください！ (2022年10月20日 0時) (レス) id: d3245f1ebf (このIDを非表示/違反報告)
サメ好き - ものすごく面白かったです！文が見やすく情景が浮かびやすいのでめっちゃ好きです。更新待ってます！ (2022年10月18日 23時) (レス) @page7 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼風音欧 | 作成日時：2022年10月16日 3時
